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Kemperでメタルバンドの音作り ライブ実践編

こんにちは、Yuuki(Yuuki_st57)です。

先日BanG Dream!のRAISE A SUILENのカバーバンド、RICE A SUIHANのライブを行いましたが、その時Kemperを使って音作りをしました。

ギター含め出音が中々好評だったので、今回Kemperの音作りにフォーカスしてセッティングをメモしつつ、ポイントを解説していこうと思います。

Kemperの出力セッティング

まず、今回は外音、客席側のスピーカーから鳴る音は100%ライン出力の音を使いました。

カバー元のRAS(特に初期)はかなりヘヴィ&タイトなサウンドで、音の傾向としてはハードコア/メタルに分類しても良いんじゃないかと思います。

なので、クリアでHi-Fiな音で音圧感、広がり感を出したいなと思いました。

ちなみに、キャストの方の本家ライブではMESAのアンプ&キャビからマイク集音の様ですが、総合的な機材のレベルが全然違うため、ラインの方が安全かなという考えです。

ちなみに今回の説明には純正のエディターを使用します。2020/02/22現在、メジャーアップデートでエディターが実装されたため、事故が許されない現場でも使用できる様になったと思うので、今回の説明でも採用しています。

まず、Outputセクションの設定で、Main OutをMaster Monoに設定します。

こうすることで、Main OutのXLRからKemper内部でキャビシミュを含めて作り込んだ音をそのままPAに送ることが出来ます。

小さいライブハウスでは基本モノラルなので、Master Monoにしています。ステレオで出せる場合ステレオにしたほうが良いかもしれませんが、ステレオは意図したサウンドにすることがやや難しく、モノラルのほうが安全だと思います。

そして、自分の後ろにあるキャビネットからモニター音を出力。俺のKemperはPower Rackなので、スピーカーケーブルで直接キャビに接続します。

爆音バンドだったので、パワーアンプMAXで丁度いい感じでした。が、普通に考えればそんな訳ない気もします。ちょっとまた試してみないとわからないですが、もしかしたらKemperのパワーアンプは音量控えめなのかも?

ここは上画像下のMonitor Outputで選択されているMaster MonoでMain Outと同じですが、右のCabinet OFFがEnabledになっているので、キャビシミュだけバイパスした音がキャビに送られます。

これはどういうことかと言うと、キャビネットシミュレーターをかけた音を更にキャビネットから出してしまうとキャビネットの成分が二重がけになってしまい、こもった音になってしまうので、ここはバイパスするのが正解です。

それと、Main Out、Monitor Outそれぞれに独立したEQが設けられており、例えば外音はクリアで綺麗な音だがモニター音がキンキンする、といった場合にはMonitor Out側のEQでPresenceなどを下げるとモニター音のみにそのEQが掛かるため便利です。

今回は特に補正はしませんでした。それとライブハウスや会場によって音響特性が違うため、ここは参考にならないと思います。Kemperの画面でも簡単に設定可能なので、それぞれ会場で設定を変えていただくと良いと思います。

R・I ・O・Tを基準とした音作り

一曲目に演奏したR・I ・O・Tの音作りを中心に解説します。基本的にこのプリセットを基準として音作りを行いました。なのでTransposeでチューニングが変わってる以外は他の曲も基本一緒です。

Performanceモードで一曲一曲バンクを作って、5音色を入れる。それを基本パターンとしました。

チューニングはドロップD、KemperのTransposeは使用していません。

Rhythm

まず1番(Rhythm)基本の音色となるバッキング用の音色です。ちなみに2番は1.0dbだけ音量をブーストした全く同じ音色がセッティングされています。これは曲中に音が小さいかなと思った時に切り替える目的で作りました。

シグナルフロー

全体のシグナルフローとしては、下の画像の感じです。

ノイズゲート→ブースター→アンプ、キャビ→リバーブ、となっています。

ノイズゲート

ノイズゲートは割としっかり掛けています。無音時のノイズを極力消したかったので、ボリュームペダルを組み合わせ無音時は完全に何も音が鳴らない状態を心がけました。

アンプ

アンプです。RIGはMESAのTriAxisの歪みチャンネルをプロファイリングしたものをRIG Managerで拾ってきた物になります。画像ですとCleanとなっていますがこれはキャビの名前が何故か入ってしまった様です…

それぞれの数値は画像を見ていただくとして、軽く解説すると、Gainはアンプで上げすぎず、やや物足りないくらいの歪み具合でそこからTSのブースターで歪を足しています。

Bassは下げ目、Midも少しだけ下げ目にし、上の方はデフォルトのままです。

Definitionは6.5、Clarityは2.0でほんの少しだけきらびやかな成分を足してる感じです。

キャビ(IR)

キャビはOwnHammerで無料配布されているMESAの412キャビのIRを使用しました。

V60 57-00というIRです。

キャビの数値はデフォルトで何も弄っていません。

ブースター

TSモデリングのブースターで歪を軽く足しています。Volumeを0.5だけ足してほんの少しだけGainを上げてる感じです。

TSを前段に掛けるとローエンドが引き締まるのでその効果を狙っています。

リバーブ

メタル系のバンドだとReverbを掛けず生々しい感じが好まれるかもしれませんが、バンドで合わせた時に変に前に出過ぎる感じが気持ち悪かったので、周りと調和させる効果を狙って薄めにReverbを掛けています。

これは好みの問題で、ディレイを薄く掛けるのが良い、という人もいますので、色々試して頂いて好みのセッティングを見つけると良いと思います。バンドによっても違いそうですね。

Drive Solo(ギターソロ時の音色)

アンプ

アンプはほぼ同じセッティング、Midだけ少し上げて美味しいところが出る様にしています。

ブースター

Volumeを0.5から1.0に上げています。元の音色の歪みでも十分なのですが、少しだけ歪みを足すことで滑らかで弾きやすい音になりました。

Pure Booster

音量だけ純粋に上げられるブースターのPure Boosterをアンプの後段にかけています。前段に掛けてしまうと歪みが増えるだけになってしまうので、キャビの後ろ、空間系の前にセッティングしています。

こちらも1.0db上げています。2.0dbくらいがっつり上げても良かったかも、と今になって思ってます…

ディレイ

俺はソロにディレイを掛けるタイプのギタリストなので、程々に掛けています。あんまり派手にフィードバックが返ってくると変なので、少し抑えめに。Duckingを2.5くらいにしても良いかも知れません。

Crystal Clean

4.5番のCrystal Cleanという音色です。曲中ほんの少しですが使う場面がありました。他の曲も同様の音作りです。RASの曲は凶悪なディストーションに合間に入る綺麗なクリーントーン、というのがパターンになってるのかも。

4.5番両方全く同じセッティングで、踏み間違いが心配だったので2つ並べているというだけです。

シグナルフロー

ノイズゲート→コンプ→アンプ、キャビ→ブースター→コーラス→ディレイ です。

ノイズゲート

少しだけノイズが気になったのでゲートを掛けていますが、0で通してるだけです。

これでも大分静かになります。

コンプ

結構思いっきり掛けています。コンプの扱い方はあまり詳しくないのでプリセットそのままだったかもしれません。今後勉強していこうと思います。

アンプ

アンプはCAE 3+ Suhr ModsというRIGを使いました。イメージとしては80年代、西海岸のセッションミュージシャンのエフェクティブなクリーンという感じです(ランドウ的な…)

ハイがキラキラした感じになる様にセッティングしています。Presenceが1.0でClarityが10と結構攻めていますがフロントハムだったのでいい塩梅でした。

キャビ(IR)

キャビはバッキングと同じものを使い、サウンドに共通項を持たせました。こちらもなにも弄らず。

コーラス

Micro Pitchというコーラスを使いました。

イメージとしてはこんな感じ。しかしKemperのコーラスは控えめというか、あんまりエグい掛かり方はしないですね。これはHELIXの方が得意かも。

コーラスというより、DetuneエフェクトがあるMicro Pitchを使うのがいい感じでした。

ディレイ

本当はパンがかかった複合ディレイにしたかったのですが、モノラルなので、あまりやりすぎない程度に。

TempoはTAPで設定しましたが、毎回同じBPMにはならないのでここは数値を入れたほうが良かったかも。

KemperのディレイはModulationという値があり、今回は0に設定してありますが、これを上げていくとフィードバック音のみにコーラスがかかったサウンドになります。

クリーンでディレイを掛けて、原音は普通のクリーン、フィードバック音のみにコーラスがかかっていると結構いい感じです。

これは増崎孝司さんがFractal Axeのセミナーで解説していた音色ですね。Kemperでも出来る!となり嬉しかったです。

A DECLARATION OF XXX

ワウ

4曲目のA DECLARATION OF XXXのみ、ワウを使いました。

EXPペダルのBOSS FV-500Lを常にボリュームペダルとして設定していましたがこの曲のみワウが掛かるように設定しました。

こちらはSystemからPage5の上部のWahPedal >Vol.にチェックを入れ、Page6のFunctionからWah Pedalに設定します。そうすることでワウがオンになっている場合のみEXPペダルでワウが掛かり、その他の時はボリュームペダルとして動作します。

その他機材

Kemperの音作りは以上になります。他の曲はRIGメニューからTransposeで-1、-2、-4と下げていますが基本同じです。

-4は流石にどうなんだろう?と思いましたが意外に大丈夫でした。FractalなどでDigiTechのDropを別に使っているのを良く見ますが、KemperのTransposeはかなり優秀なのかも知れません。

その他の機材は以下の通りです。

Guitar: Caparison Horus

Cable: OYAIDE QAC-222G

SP Cable: Belden 8470

MIDI FootSwitch: Tech21 MIDI MOOSE

EXP Pedal Boss: FV-500L

Pick: Music Life Jazz XL 1.0mm

まとめ

今回Kemperを使ったメタル系の音作りを解説しました。Kemperは色々設定できるので迷うかも知れませんが、慣れると使いやすく、また割と直感的に操作できると感じています。

エディターが最近になって実装されましたが、それ以前はあの小さい画面ですべて弄っていました。それでも特にそこまで問題無かったため、操作性に関しては優れている方だと思います。

エフェクトやアンプの数値に関してはそれぞれ好みがあると思いますが、俺は割とアンプの段で基本的に音色を作り込んで行きたいので、EQ等のエディットよりプロファイリングしたRIGやIRのチョイスを重要視しています。

今まで有料RIG、IRは買ったこと無いのですが、探すのに自信がない、音色の良さが今一分かりにくい、という方は有料の物を買ったほうが近道になるかもしれません。

また、今回は本家のキャストの方の音作りは軽く意識はしましたが極端に寄せてはいません。2ハムのギター、MESAのアンプ&キャビ、と言う所は共通させましたが、アンプの機種やエフェクトは違います。(本家はTC-100)

どちらかというと本家に寄せていくと言うよりも、自分が納得の行く、出したい音色を出すことを心がけました。

Kemperは本当便利な機材で一台で冷蔵庫ラックの様な複雑なシステムが3Uラックのサイズで、電車でも持ち運び可能な重さ、大きさで実現できています。基本的な操作を覚えてしまえば応用も効くので、説明書を睨む必要も無いと思います。

音色に関しても全く文句ないですね。ニュアンスが生アンプの方が好き、という場合は有りそうですが、PAを通した出音はほぼ生と遜色無い印象です。

今回メタル系の音作りでしたが、もうちょっと軽いロック、POPS、歌モノなんかでもバッチリ使えると思います。これからもどんどん活用して行きたいなという所です。

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