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ヴァイオリン用カーボン弓 CodaBow Lumaのレビュー : Diamondシリーズとの違い、木の弓との使い分けは?プロも使える?

こんにちは、Yuukiです。

先日、ヴァイオリン用のカーボン弓、CodaBow Lumaを入手して実際に演奏の機会でも使ってきましたので、色々レビューしていこうと思います。

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Coda Bow Luma

スペックなど

CodaBow LUMAは、フランスの偉大な弓製作者であるLamyとVoirinに敬意を表し、その操作性と同様に高く煌びやかな音色を持っています。手の負担を軽減するエアロ・フロッグ・デザインを採用し、シャフトの軽さによって、派手でテクニカルなパッセージにも軽快なレスポンスを実現しています。銀色の音色と優雅な敏捷性は、親しい間柄での演奏に適しており、アンサンブルにも調和し、あらゆるスタイルのプレーヤーに求められています。CodaBow LUMAは、軽やかな重量感と個性を求めるプレイヤーに特に魅力的な弓です。

Codabow.com(意訳)
  • 軽い重量、弓元寄りの重心バランス
  • ラミーやヴォワランのような操作性に優れた弓を目指して開発
  • コンピューター設計で個体差が少ない

CodaBowのメインラインナップであるDIAMONDシリーズ(NX、SX、GX、Marquise GS)と比べるととにかく軽さ、操作性にフォーカスされた設計で、モダンフレンチ弓の”羽のように軽い”操作性を手に入れています。

入手した経緯

とにかく軽くて強い弓を…というのがまず第一、あとはセッションやライブなどの現場で気兼ねなく使えるカーボンが必要といった事情です。

メインで使っているオールド弓は音色、操作性は抜群なものの、唯一強さと硬さが足りず、速いパッセージが連続する曲、テクニカルな曲を演奏するにはやや難しい面がありました。

去年買ったArchetは抜群の音色、ある程度の強さには優れているものの、操作性が現代的でなくどちらかというとコンチェルトやスケールの大きいソナタなどに向いています。あとは重量が重く速いフレーズにやはりやや不向きです。

というわけで、音色が良い弓は二本持っているのでとにかくパガニーニやサラサーテなどに特化した弓を!ということで色々選び、20万〜40万程度の価格ゾーンの木の弓、CodaBowのかなりの種類を試奏した結果このLUMAを選びました。

値段的には試奏した30本近くの中で二番目にお安いものになりました。

DIAMONDシリーズとの違い

公式のチャートを見てみると、例えばDIAMOND GXは重さ標準、フロッグ寄りバランス、強さは標準。というのに対して、LUMAは軽め、フロッグ寄りバランス、強さは柔らかめとなっています。

といってもGXと比べると大分GXの方が重量感を感じ、強さもかなり強い(硬い?)印象です。

自分のような演奏活動を行っているプレイヤーに一番向いている、というか狙って作られているものはMarquise GSです。

確かに、Marquise GSは重量バランスがベストに近く、リコシェなどのフレーズの弦離れも一番良く、音色も木の弓に近く、普通に考えれば一番良い選択だと思います。

下のGX、SXはやや重ためのバランスになるのと硬さからくる音の荒さがやや気になり、あまり欲しいと思いませんでした。

しかし、このLUMAを持ったときの軽量感、バランスの良さ、Marquise GSほどではないがかなり優れた操作性がすぐに気に入りました。

Marquise GSはどの個体も62g中盤前後と、それなりに重さがあるのでそれが気に入らなくなる原因になりそうということ、それに木の弓に近いということは良い木の弓を持ってる人にとっては弓のキャラクターが被って本末転倒になるという要素があります。キャラクターを分けたい場合、実はMarquise GSは木の弓に近すぎて面白みや手軽感が無い印象を受けました。値段もそれなりに高価です(実売20万超え)

クラシックのコンサート活動と、ライブハウスやセッション現場でのハードな環境を行き来するプレイヤー(自分も近いですが)は、良い木の弓と、限りなく似いていてなお丈夫なMarquise GSの複数持ちは良いと思います。

あくまで自分の感想ですが、キャラクターとしてはGX、SX、それに一番下位のProdigy系列と、Marquise GSの下位互換としてLUMAがあるような印象でした。

かといってMarquise GSと15万近くの価格差を感じるかというとそこまででも無い印象でしたので、値段的にも助かりますしこちらを選びました。

一番下のProdigyもかなり良く、正直プロ演奏家のサブ弓としてのカーボンとして考えてもProdigyかLUMAで選んでも良いと思います。

見た目、細部の作り

前置きが長くなりましたが、実物の写真を出して細部や質感を見ていこうと思います。

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フロッグは合成素材のXebony、革巻きはおそらく何かの本革ですがあまりグレードの高いものではなさそうです。

金属はシルバーで、まだ新品なのでピカピカの状態。フロッグのデザインはCodaBow特有のものです。

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ヘッドは特にヴォワランという感じでもトルテという感じでもありません。いろんな形の間を取った感じでしょうか。

カーボン地が剥き出しになっており、やや茶色がかっています。Marquise GSは木の弓っぽく塗装?というか着色がされておりますが正直あまりセンスが良く感じられず、こちらのカーボン織剥き出しのほうが遥かにスタイリッシュだと思います。

毛はアメリカで張られて出荷されたときのものがそのままになっており、本番で使ったら伸び切っていて普通に滑りました…購入時に毛替えもセットでお願いした方が良さそうです。

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全体的にスタイリッシュなデザインで潔いと思います。自分はこの方向性は好きですね。

音、剛性感

基本的にかなり強い弓ですが、GXやSXに感じられる硬さまで行かず少し柔らかさがあり、この点がMarquise GXに似て優れた部分だと感じます。

圧力を少し加えた状態でゆっくりボウイングした時に、弓の真ん中で暴れが発生せず非常に安定しており、この点は本当に高額なそれこそ100万円を超えるような木の弓のニュアンスがあり非常に優秀です。

非常に硬い弓は真ん中で安定するのですが音色が悪い傾向があり、柔らかさがありつつも強さがあって安定するのは本当に難しいことで、実売10万円以下の弓でこの性能は驚異的だと感じました。

基本的な強さがしっかりあるので速いテクニカルなフレーズが弾きやすいのはもちろんのこと、ガンガン弾く必要があるオーケストラの曲、バンドの曲などでも大活躍する弓だと感じました。

音色に関しては非常にクリアで明るめ、この点はカーボンっぽさがありますがとくに悪いとは思いません。逆にクリアさが好ましく感じられ、エレキ楽器やバンドと混じった時など音混じりが良いのではないかなと思います。

それと結構響くので楽器の音量も出せる印象があります。音が大きくクリアで明るいので派手な表現に向いています。

この間バンドサウンドの中でストリングスを演奏する機会がありましたが、はっきりとした出音で良く聴こえていましたし、操作性もよく快適に演奏できました、唯一毛替えをしておかなかったので滑ってしまった曲があって悔やまれますが…

木の弓に勝てるか?

結構褒めてきたので、メインの木の弓いらなくなるのでは?というくらいですがそれはまた事情が異なり、やはりサブのサブくらいの扱いとなりそうです。

メインで使っている木の弓は木のある意味不安定さやカーボンほどの均一性が無く、音もやや雑味があったりしますが、そこがやはり温かみや自然さに繋がります。

クラシックのソロを演奏する時、それこそパガニーニやサラサーテの本当にテクニカルな曲、テクニックが曲の要素としてメインの曲はこのLUMAは向いていますが、例えば難しくて有名なイザイなんかはちょっと厳しい印象もあります。

イザイのソナタなどのロマンチックな要素やスケール感の大きい大曲に対してはやはり、まとまり過ぎていてやや力不足感を感じてしまうと思います。それこそArchetのTourte Soloなんかはそういったスケールの大きい曲に似合います。

状況に応じて使い分けするのがやはり良さそうです。

完全に勝っている要素としてはやはり丈夫さでしょうか、特に弓の扱い方に慣れていない年少の方や初心者の方は木の弓の扱いに不安があるかと思いますが、このカーボン弓は多少荒々しい扱いをしても問題なく、ハードな環境でも使えるという点では一番優れていると思います。

まとめ

コストパフォーマンスに優れ、最上位のモデルと似たニュアンスがあるCodaBow LUMA、とても気に入りました。

基本的には試奏して色々選んでみるのが基本だと思いますが、その際参考になれば幸いです。

以上、「ヴァイオリン用カーボン弓 CodaBow Lumaのレビュー : Diamondシリーズとの違い、木の弓との使い分けは?プロも使える?」でした。

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