ここ4ヶ月ほどヴァイオリンを弾くとき肩当てを使わないで弾いていました。
左手のフォームや構え方など色々学びがありましたし、ひとまず奏法としては分かり本番で使えるレベルにはなりました(一度オフ会でコンチェルトも弾きました)が、自分のフレージング、音の表現的にやはり肩当てを使ったほうが理想に近い演奏が出来るので、肩当てを復活させました。
この肩当てなしで弾いていた期間は全く無駄ではなく、左手のフォームやヴィブラート、右手の使い方すら見直すことが出来たので基礎の面で非常に学びがあった期間となりました。
肩当ては今まで色々買ってKUN、Viva la Musica、Wolf、Performa…など色々試して一旦Viva la Musicaのスタンダード、Diamond、KUN Bravoをメインで使っていましたが、今回PIRASTROのKorfkerRestを運良く状態の良い中古が比較的お手頃な価格で出ていたので購入してみました。
このKorfkerRestは定価が現在非常に高額なのですがプロ・アマ問わず使っている人が非常に多いですし、良い評判しか聞かないものなのでとても気になっていましたが、やはり非常に優れた肩当てだったのでレビューしてみようと思います。
またプラスチックでできている兄弟製品のKorfkerRest Lunaも入手しましたので違いなどを比較してみようと思います。
この肩当ての特徴
KorfkerRestの一番の特徴はとにかく軽いことで約38gしかありません。
それまで最軽量だったマッハワンよりも軽く(初期型は同じくらいだそうですが強度に不安がありました)また木材部分に軽量化の肉抜きがされているために抜群に音抜け、鳴りが良くなる特徴があります。
また現在売られているModel2はエルゴパックという部品が付属しており様々なフォームに対応できること、木の部分を捻ったりすることで形状を変えることが出来るため非常に自由度が高いです。
その自由度の高さゆえ自分にあった形に調整するのがやや難しく、また調整に専用の工具が必要です。リハーサル中に調子が悪くてもすぐに調整できないのは少しデメリットですし、工具の扱いが慣れていない方はそもそも良い形にできない恐れもあります。
エルゴパックを付けると更に煩雑になるためまずエルゴパック無しで調整してみてどうしてもしっくりこない場合エルゴパックを付けてみると良いかもしれません。
ちなみに兄弟モデルのkorfkerRest LUNA(以下LUNAと表記)はこの部分がかなり簡単になっています。
無印の方はレンチで調整するようになっています。
LUNAの方は足のパーツが6種類付属しており、楽器の幅と肩からの距離(肩当てを高くするかどうか)に応じて選ぶだけの簡単仕様です。
LUNAの特徴としてはこの調整が断然簡単なことと、無印と比べると高域の音抜けはやや劣りますがそれでも一般的な肩当てより非常に鳴りは良いことです。
調整に自信がない方や無印が高すぎると感じる方(LUNAは約半額です)には適してるモデルかと思います。
またLUNAは足が畳めるため、イーストマンやカーボンマックなどのコンパクトなケースを使っている方にもおすすめかと思います。重量も32gとブリッジ型肩当ての中で最軽量かと思います。
自分は楽器を二台所有しておりどちらもメイン機のような扱いをしているため、同じ曲を弾いてどちらが良いか判断したり同じ演奏会に二台持ち込んだりします。
そういった用途の場合肩当てや顎当てが違うと持った感触が異なってしまうため、今回両方購入してみた次第です。
調整方法に差はありますがほぼほぼ同じ高さやシェイプには出来るためとても便利に使えています。
自分の場合やや高域がこもりがちなオールド楽器に無印、高域の鳴りが強いイタリア新作にLUNAを使用することが多いです。
LUNAは少し内側に湾曲しています。構え心地に影響はありません。
保護袋は両方付属していますが無印の方が大きく少しゴージャスな印象、LUNAの方は柔らかい布になっています。多分LUNAの方に無印は入らないかと思います。
まとめ
今回はPIRASTROのKorfkerRestを入手して特徴などを書いてみました。
どちらを買うか迷う方もいらっしゃると思います。両方とも高額なためかなり迷うと思いますが、
音の違いで選ぶと…
・高域が別の楽器かと思うくらい張りが出るのはKorfkerRestの方
・全体的にバランス良く鳴るのはLUNA
使い勝手で選ぶと
・フレキシブルに調整出来るのはKorfkerRest
・簡単に調整できるのはLUNA、足が畳めて収納しすいのもLUNA
という印象ですね。
どちらを買っても良くなると思いますが、音をゴージャスにしたい場合、音量を更に出るようにしたい場合はやはり無印を買っておいたほうが後悔がないかと思います。