こんにちは、Yuukiです。
以前に書いた「プロが使うヴァイオリンの道具リスト」という記事がそこそこ読まれているのですが、リライトしすぎてゴチャゴチャしてきてしまったのと、最近になってどんどん新しい道具も発売されて評価が固まってきているので改めてまとめようと思います。
弦
エヴァピラッツィ
やはり一番人気はエヴァピラッツィでしょう。大音量、豊かな表現力、クリアな音色と非常に優れた弦です。自分が使うことはあまり無いのですがたまに張るとやはり良い弦だなと思います。
テンションがかなり強めなので左手に負担を感じたり、表板が薄い楽器だと駒の部分が陥没してしまったりというリスクはあります。心配な方は工房で相談してから使ってみましょう。
著名な使用アーティスト
・マキシム・ヴェンゲーロフ
・ジャニーヌ・ヤンセン
・ジョシュア・ベル
・オーガスティン・ハーデリッヒ
etc.
ペーターインフェルド
かなり普及率が高い弦。ソリストでもオーケストラプレイヤーでも使っている方が多いです。
エヴァピラッツィほど強い弦ではありませんが音が大きく、太くクリアで張りのある音で自分も最近気に入っています。
この弦の素晴らしいところは音色の寿命が非常に長い所。半年くらい張っても劣化をあまり感じず数ある弦の中でも最も寿命が長い部類に入ります。
著名な使用アーティスト
・ジェイムズ・エーネス
・レイ・チェン
・ユーチン・ツェン
etc.
ヴィジョン・ソロ
何気に日本人ソリスト使用率が高い弦です。
結構独特な雰囲気の弦で、かなり空間に音広がる感じで柔らかめ。通常のヴィジョンよりも音の太さがあり、ややドミナントのような雑味もあります。
ペーターインフェルドよりはハイポジションでの強さはありませんが倍音豊かでよく楽器を鳴らす弦という印象。音量は通常〜やや大きめです。
寿命は3ヶ月程度でまあ値段を考えるとコスパは悪くはありません。
著名な使用アーティスト
・三浦文彰
・高嶋ちさ子
etc.
ロンド
これはまさにソリストのための弦。
音量は非常に大きく、表現力も高く、楽器を鳴らす力に優れています。
音色も非常にクリアで一点にフォーカスする感じですが太さ、柔らかさも備えており、まさにトマスティーク最高峰の弦でしょう。
反面エヴァピラッツィ並みの自己主張の強さ、またテンションも強いです。お値段もおそらく現状一番高価な弦で、まさにプロ・ソリスト向きの弦と言えます。
著名な使用アーティスト
・レオニダス・カヴァコス
・ジュリアン・ラクリン
・セルゲイ・ドガージン
etc.
松脂
Leatherwood Bespoke Rosin
一昨年辺りからよく見るようになった松脂で、非常に音量や音質が良くなると評判です。
クリスプとサプルの二種類あり、クリスプはブライトでクリアな音色に、サプルは太く柔らかい音色になるそうで、専門店のスタッフに聞いた所サプルの方が人気だそうです。
また、セットで購入して混ぜて使うという使い方も推奨されています。
P・Guillaume
迷ったらこれ、と言える松脂です。
クリアで柔らかい音色で音量もベルナルデルなどより大きくなり、弓の弦に対する吸いつきも良くなります。
粘度がやや高めで付けすぎるとギスギスした音色になってしまうので大体弓に二往復半程度目安で塗ると良いと思います。
Archet Alto
以前非常に人気が高い松脂でアルシェ201Soloというものが有ったのですがそれが廃盤になり、後継で出たのがこのAltoになります。
201Soloの質感の高い音質、吸い付きの良さを保ったまま音量も大きくなる印象です。
またGuillaumeより音色がクリアでかつ柔らかさもあり、自分も今気に入って使っています。
肩当て
Pirastro Korfker Rest
かなり高価な肩当てですがかなり人気があり、店舗でも売り切れ続出の肩当て。
エヴァピラッツィなどの弦のメーカーピラストロから出ている肩当てで、非常に音量、音抜けが良くなり、また軽量なため扱いやすいと評価が高いです。
足の形状も柔軟性が高く、様々な体型にフィットすると評判。本体も曲げられるとの触れ込みですが薄型で折れそうなのであまり曲げないほうが良いのではないかと…
Viva La Musica Diamond
音が良くなる肩当てと以前話題になったViva La MusicaのDiamond。
非常にクリアで明るい音色になります。音量もKUNなどと比べて大きくなる印象です。
自分も気に入っており以前ブログで紹介したりしました。
角度が自由に変えられるため多くの人にフィットしやすいですし、高さも出しやすいです。
また、足のゴムの材質か、形状かわかりませんが楽器のニスを傷めにくいです。KUNは意外と密着しすぎてニスを痛めることがよくあります。
見た目の高級感、上質感も素晴らしく見ていても飽きない素晴らしいデザインだと思います。
ケース
RIBONI UNOEOTTO
角型木製ケースで断トツおすすめなのがこのRIBONI UNOEOTTOです。
完全に木枠でしっかりしているのに薄型で、また2kgと非常に軽量。
またデザインが今風なミニマルなデザインで非常に若い演奏家に人気があり、街で見かけることも多いケースです。
内装は本当にシンプルでやや味気ない印象も受けますが、このシンプルさが逆に良いと言えるでしょう。
リュックタイプで背負ったときに重心が低くなり安定するのも評価できるポイントです。
BAM Hightech L’OPERA
女性のプロ演奏家で使っている方が非常に多いのがBAMのHightechのコンタード(シェイプ型)ケース。
軽量で、デザインもお洒落でファッションに合わせやすいと言うところも人気が高いポイントでしょう。
また弓収納スペースがフロッグ側が小物入れに来る、通常と逆の配置になっていたり、蓋が180度開いたりと使い勝手が良いように工夫もされています。
そのBAMのケースでも自分が一押しするのがL’OPERAというシリーズ。外装が非常にスタイリッシュでお洒落です。
Musafia Luxury UltraLight
高級感、ラグジュアリー感が凄く、プロ演奏家に好まれているMusafiaのケース。
BAMもお洒落で高級なケースですが今風なおしゃれ感があるのに対し、昔ながらのクラシック感があるお洒落さが好きな方が持っている事が多いのがMusafiaのケースです。
その中でも演奏家が使っているのはU3012というUltraLightと呼ばれるタイプが多い印象です。
完全木枠、布張りで革も使っていたりと、ハイテク素材とは真逆を行っていますが保護性能はむしろハイテク素材より優れており、高価なオールドヴァイオリンでも安心して持ち運ぶ事が出来ます。
自分も先日購入しましたが非常に気に入っております。
ただ、UltraLightのものでもストラップ抜きで2.5kgと軽量とは言えません。またリュックタイプの持ち歩き方が微妙にしにくい形状(出来ないわけではない)ので、持ち運びの便利さではRIBONIやBAMに一歩劣ります。
とにかく高級感、上質感、ゴージャス・ラグジュアリー感を求める方には一番良いケースと言えるでしょう。
デジタル譜面デバイス
iPad Pro
今は譜面もデジタルの物を使用することが非常に多く、iPadでPiascoreというアプリを使用することが非常に多いです。
かさばる譜面を何冊も持ち歩く必要がなくなりますし、譜めくりも楽、ズームも出来たり書き込みも自由自在と使わない手は無いでしょう。
また、大抵のクラシックの譜面はパブリックドメインで著作権の問題なく無料でDL出来るので、楽譜を購入する必要もありません。版も数種類の中から選べたりするので素晴らしい時代になりました。
容量は楽譜は非常にファイルサイズが小さいので最小で大丈夫です。
別売りのフットスイッチを使うことで譜めくりも手を使わずに行えて非常に便利です。
まとめ
こんな具合で演奏家が使うヴァイオリン関連の道具をまとめてみました。
松脂や弦など非常に安いものもありますが基本的に安物買いの銭失いになる確率が高いので、自分はアマチュアだし…と思ってもなるべく良いものを使うのが良いと思います。
この記事が参考になれば嬉しいです。
それでは、「ヴァイオリニストがおすすめする間違いない道具リスト【2021年最新版】」でした。