オールドバイオリン、新作バイオリンの鳴らし方の違い

オールドバイオリン、または古いモダン楽器と新作楽器の鳴らし方はやや異なる。

オールドバイオリンは新作の強い楽器と比べると生音がやや弱いように感じるが、ホールなどで正しい弾き方をすればしっかり客席の奥まで音が届く。

 

一般的な新作バイオリンは耳元で聞くと大きな音だが客席の奥まで音が浸透しない事がある。いわゆるそば鳴りの楽器だとちょっと離れただけでも音が減衰してしまうこともある。

オールドバイオリンは空間を響かせるように弾くことで、大きなホールでも十分な音が出る。反面きつくガリガリ弾いてしまうと音が潰れてしまい、音が届かない。

新作の場合はガリガリ弾くのは流石にまずいが、やや圧力を強めにかけたほうが良いケースもある。

 

新作楽器はダイレクトに弦をしっかり鳴らすほうが好ましいことも多い。

 

さてオールド楽器の空間を響かせるように、というと抽象的すぎてわかりにくいかもしれない、ポイントは、

・圧力は弱めだが、弓がしっかり吸い付いている状態で早めに弓を動かす

ということである。

圧力が弱いというと小さな音が出てしまいそうであるが、弓のコシをしっかり使い毛をしっかり吸い付かせる用に弾くと、空間に響くクリアで柔らかい音が鳴る。

 

ある時学生時代の師匠のオールド銘器をレッスンの時に触らせてもらえたことがあった。先生の楽器ということもありこちらも緊張しており、やや硬めの弾き方になってしまったらやっぱり全然鳴らないのである。

こういう300年クラスのオールド・イタリアンは初心者では逆に扱えないということになると思う。反面実力が伴っていれば素晴らしく良い音で鳴ってくれる。(その師匠の音は自分の中で歴代ベストのサウンド)

 

腕にあまり自信が無い人も展示会などでオールド楽器を触らせてもらうといろいろ勉強になると思う。そういう意味では弦楽器フェアなどの場は貴重だと思う。最近は行ってないが…

リボーニのヴァイオリンケースを掃除、再塗装

先日からバイオリンケースを新調したいと言ってた俺ですが、実際に今使ってるケースはリボーニのウノエオットです。

発売されてすぐ買ったので、10年位使ってるのでは…

色も褪せて、あちこちボロくなっています。買い換えようとも思っていたのですが、同じクオリティのケースを買う予算はちょっと今無いです。

 

今のケースの不満は

・ジッパーしかなく開閉が手間

・色あせが酷く古びて見える

・猫の毛が付きやすい

・地味すぎる

ということだったのだが、

ジッパーの件以外はどうにかなるかも…?と思い、いっその事リノベーション(?)して綺麗にしてやろうと思いました。

ジッパーは開けっ放しでも良いのですが、最近は地震などの災害が多いため、すぐ持ち出せるように一日の練習が終わったら完全に閉めています。

猫の毛は以前長毛の子が居たときに特に気になっていたのですが、その子は残念ながら去年亡くなってしまい、今は短毛種の子しか居ないため、置き場所に気をつければ猫の毛問題もクリアできそう。

地味なのはまあ…我慢しましょう(笑)

 

色褪せは染めQというスプレータイプの塗料を使う事にして。

このスプレーは珍しく本革などにも使えるそうです。

 

ケースのほうはどのくらい褪せてるかというと、

まあ…全体的に汚い感じ。

隠れてる部分と比べるとよくわかります。

 

染めQは一気に塗るタイプではなく、薄く重ね塗りしていくタイプの塗料なので、

薄塗り→乾かす→薄塗りを繰り返して希望の色になるまで繰り返します。

一回目。もちろんロゴとサインはマスキングしています。

 

写真だと分かりづらいが…少しづつ黒が濃くなってる感じです。

 

5回位重ね塗りし、これ以上は良いかなと思い乾かしてマスキングテープを剥がしました。

サインの周りだけ色が薄いのが見てわかると思う。

 

楽譜ポケットの裏の部分と比べても大分近づきました。光沢は再現できなかったので完璧に同じにはならなかったが、大分近づいたかなと。

 

外装はまあまあ綺麗になったので、内装を一旦綺麗にして気休め程度ですがホコリ対策として静電気避けスプレーをしました。(汚いところの写真は撮るの忘れた…)

 

入ってない弦の袋などを捨てて、写真もよく見える位置に張り替えました。

以前はスカーフで楽器を覆っていたが、すぐ楽器を出せるようにと思い外しました。

 

大分綺麗になったので、またしばらくこのケースを使おうと思います。

昨今のヴァイオリンケース事情

この間都内の馴染みの楽器店に行ったときに、おや角型ケースが少ないぞ?と思い店長さんに訪ねたところ、

角型ケース、特に布張りの物は全然売れないから置いてないんだと。

ふーん…俺が学生の頃は上手い人は角型ケース使ってるのが当然で、ムサフィアやネグリとかの高級角型ケースに憧れたし、

いっときBAMのハイテックケース(もちろん角型)が爆発的に流行ったこともあった。

ちょっと前には今俺が使ってるリボーニのウノエオットが流行り、結構街で見ることも多かったが…

 

しかしまあ見てみると、ほとんどシェイプ型の、それもカーボンやグラスファイバー製のツヤツヤのが殆どで、同素材の角型はちょっとだけ置いてある感じ。布張りのはほとんど無い。

 

どういうわけか聴いてみると、まず最近は日本の天気が安定せず雨に強いケースが求められてること、

更に言うと、その楽器店の客はプロよりアマチュアの金持ちのOLのおねーさん方が殆どなので、見た目にもスタイリッシュなのが求められてるらしい。

更に言うとOLのおねーさん方は、ケースのゴムの部分がコートに擦れると、コートのその部分がツルツルになってしまったりして、高級なコートが台無しになった!とクレームが入ることがあり、最新式のゴムの部分がないケースを重点的に置いてる(店長談)とのこと。

 

あとは映画やドラマで使われるケースが十中八九新素材のケースだと言うことで、ミーハー的な売れ方をしているらしい。広瀬すず効果。

 

シェイプ型のケースは楽譜が入らなかったり、耐熱性の問題があったりするが、まあ女性はバッグを別に持ってるだろうから楽譜は問題ないし、(男性の客は少数派なのだろう)熱問題もそこまで神経質になるほどではない。

コートが擦れる問題など全く自分は気にしていなかったが、確かに最近発売されたケースは工夫されているようだった。

雨はねえ…電車移動だと確かに、布張りだと濡れると大変だが、表面がツルツルしてれば拭けば問題ないし、最近のケースはパッキンがしっかりしてて雨が侵入しないらしい。

もっとも昔のケースでも雨が侵入するってことはなかったが…

 

でも俺はやっぱり角型の布か革張りのが良いなーと思っていたのだが、ちょっと心動かされるケースを発見。

 

BAMのハイテックオペラというケースで、ポリカーボネート素材、表面が細かい凹凸になっていて、上品な光沢がある。

内装はまあ素っ気無い感じだが、弓を止める部分が左側にあって、何かのときに楽器にぶつからない配慮がされてたり、内装の素材もベルベット調とスキがない。

もちろん背面のゴムも無いのでコートも擦れることが無いようである。

重量はなんと1.6kg!

とにかくデザインは素晴らしく、最近入ってきた商品だが結構売れてるとの事で、確かに俺もこれなら欲しいと思わされる感じであった。

それにしてもBAMは商売がうまいと思う。以前流行ったハイテックの角型ケースから、機内持込可能なケース、合皮張りや毛皮張りの斬新なデザインと、最先端のケースブランドとして地位を確立している。確かにBAMのケースは町中で見かけることがかなり多い。プロ使用率も高いし。

 

しかし10万くらいするので…そこまで出すんだったらネグリのミラノが欲しいかなぁ…

 

まあ、時代の変化といえばそうなのだろうが、自分の価値観が古くなっていくのは寂しいものがある。そういう年では無いと思いたいが、もうすぐ四捨五入すれば30だしね…

 

まあ他の楽器店、特にプロの顧客が多い店だとどうなのか分からないが、アマチュア的には新素材のシェイプ型一択という状況らしいのは分かった。

 

俺も今のリボーニのケースは猫の毛が付きやすいし、見た目も色あせて汚い感じになってしまってるのでそろそろ引退させたいが、やっぱりできれば次も角型ケースにしたいと思っている。

 

移動は車がほとんどなので雨、重量は気にしなくてよいし、角型のスペースの多さはやはり便利だと思う。楽譜ももちろん入るし。

やっぱネグリかな~~ムサフィアはどこで売ってるか分からないし、アルファは撤退してしまったし、リボーニの高級モデルはちょっとパッとしないのよね。

 

プロはやっぱり角型でしょと思ったということでした。

 

俺とパガニーニ

ヴァイオリニストの憧れ、というか、特別視されてる存在にパガニーニがいるわけだけど、俺もパガニーニには思い入れが結構あるわけで。
高校卒業する頃にはテクニック的にパガニーニの曲が射程範囲内だった。ので手を付けてみたのだが・・・

普通の難しい、テクニカルな曲とワケが違うんですよね、パガニーニ。

なんというか…普通の曲に出てこない特殊技法がバンバン出てくるわけで、それで挫折する人(パガニーニを)もかなりいるんじゃないかと思う。

そもそもパガニーニの曲が弾けても

すごい!

って言われるだけであって、音楽的にすごく素晴らしい、かつ重要なわけでもないんですよね…パガニーニ。

これがイザイとかだと音楽的にも重要で、ヴァイオリニストとしては是非勉強したほうがいい範疇になるんだけど、パガニーニは別にやらなくてもいいわけ。

 

でも俺はどうしてもパガニーニ弾きとして認められたかったので、まずカプリースを攻略することから始めた。

パガニーニの24のカプリースは一応、エチュードということになってるんだけど、普通のエチュードではなく、パガニーニの曲に出てくる変態技巧の練習って感じになっている。

 

とっつきやすいのは1番、9番、16番、24番、21番、5番あたりかな?とっつきやすいと言っても激ムズで普通のレベルじゃ歯が立たないが、とりあえず他の曲はもっと異次元なので、このあたりをコツコツこなしてみるといいと思う。俺もそうした。

 

でヒイヒイ言いながらカプリースをやってるとまあ、パガニーニの曲の雰囲気はつかめてくるかと思う。

そうするとConcerto No1あたりに手を出してもいいかなーと言う感じ。

コンチェルトの一番はまあゴリゴリの超絶技巧曲ではあるが、まだカプリースほど鬼畜では無い気がする。(3楽章以外)

3楽章はダブルストップ・ハーモニクスという変態を極めたようなテクニックが出てくるので、これを攻略するのは非常に大変なんだが…まあカプリースを何曲かこなせる人ならなんとかなると思うよ。

 

かくいう俺もダブルストップハーモニクスはどうも苦手で、3楽章は未攻略である…

 

その他にもNel Cor Piu~やGod Save King~など変態曲がたくさんあるのだが…

パガニーニは自分の曲を秘密にしたがってたみたいで、大部分の作品が残ってないんだよね。

だから作品数がそもそも少ない。ドマイナーな曲も少しは残ってるんだけど、やっぱり作曲家としてはそこまでじゃないんだよね。

 

そもそもパガニーニ弾きって、すごいとは思われると思うが、そんな尊敬されるような存在でも無いような気がする…どちらかというと変態と思われてるような…

普通のプロのヴァイオリニストも手を付けない領域なので、わざわざパガニーニ弾きになるのって真性のドMかもしれない。

 

まあでも、やっぱりパガニーニ弾きたいよね?え、弾きたくない?

この人は純粋培養されたパガニーニ弾き。パガニーニコンクールも優勝してるし。

ツィマーマンくらいになると簡単なのかもしれない。

三浦文彰も昔はよくパガニーニ弾いてたみたいだが、路線変更したのか最近は弾いてないみたい。

 

俺は最近はそんなでもないが、一時期アホみたいにパガニーニばっかり弾いていた。コンサートでもカプリース21番を良くプログラムに入れていたし、まあパガニーニ弾きと思われたかったんだが…少なくとも身内からはそういう風に思われてるかもしれない。

でも結局指の構造とか関節の柔らかさとかそういう要素も合わさって、真のパガニーニ弾きにはなれないような気がしている。練習不足といえばそうなのだけど、やっぱりパガニーニばっか一日数時間やるのは厳しい。10時間以上パガニーニばっか練習して、それで弾けるようになるかも謎だし。

中途半端にパガニーニが弾ける人くらいで落ち着いてしまってる気がする。いかんなぁ。

ヴァイオリンのA線にアジャスターをつけることについて

A線アジャスターの考察

ヴァイオリンには通常、E線のみアジャスターを付ける。(分数楽器などは例外)

E線のアジャスターも基本はなるべく軽く、複雑な機構で無いものを選ぶのが良いとされていて、ゲッツやウィットナーのアジャスターなどループエンド用の小型アジャスターを付けているプロが多い。

 

しかし超一流ソリストでストラディヴァリなどを使っているにもかかわらず、E線とA線に大型のボールエンド用アジャスターをつけている人もいる。

セルゲイ・ハチャトゥリアンはどの時代の映像をみてもA線にアジャスターを付けている。彼は楽器の貸与を受けていてストラディヴァリだったりグァルネリだったりするのだが、その度わざわざA線にアジャスターを付けているということになる。

巨匠、ギドン・クレーメルもA線にアジャスターを付けている。彼も昔から付けていると思う。弦もあまり見ない組み合わせ。

アンネ=ゾフィ・ムターもA線アジャスター。スチール弦を使っていたような気がする。

 

なぜA線にアジャスターをつけるのだろうか?

 

仮説1:チューニングがしやすいから

これはA線をスチール弦にしている場合のみ当てはまる。ムターはおそらくそう。クレーメルももしかしたらそうかもしれない。スチール弦はペグで細かいチューニングがしずらく、アジャスターを使ったほうが良い場合もある。

しかしナイロン弦の場合ほとんどアジャスターの調整は効かない。弦の伸縮性の幅が広いため、回しても回してもあまり効かないのである。

セルゲイ・ハチャトゥリアンの場合、エヴァ・ピラッツィを常に使っているので、チューニングのために付けているというのは考えにくい。(もしかしたら微調整程度には使っているかもしれない)

仮説2:音質の変化を狙っている

基本的に、ヴァイオリンは重いパーツを使うほど柔らかい音になりやすい。

A線にアジャスターを付けた上でA線を張ると、テールピースにダイレクトに音が伝達しないのも合わさり、良く言えば柔らかく、悪く言えばこもる、くすむ感じの音色になる。

私も一瞬実験と思ってA線をドミナントで、ウィットナーのボールエンド用アジャスターを付けてみたことがある。思ったとおり柔らかい…というよりデッドなこもった音になる。

普通に考えたらA線は高音域が多いので、ハイがあるきらびやかな音のほうが好まれるので、基本的にはやはりアジャスターを付けないほうが無難だと思われる。

しかし、セルゲイ・ハチャトゥリアンの場合彼はかなり強く弾くし、エヴァ・ピラッツィだし、音の傾向が全体的にまろやかな感じはするし、そういう音の方向性が好みでA線にアジャスターを付けているということももしかしたらあるかもしれない。

 

仮説3:特に何も考えていない

多くの有名ソリストは若い頃から世界的にデビューを果たしていたり、神童、天才と呼ばれて子供の頃から演奏を盛んに行っていることが多い。

そういうソリストは子供の頃からそうだったから特に何も考えずそのままのセッティングで楽器を弾いていることが多いし、あまり楽器をいじくり回すイメージがしにくい。そもそも銘器を貸与されてる場合弄ったらダメそうだし、工房などでいつもの通りのセッティングで調整してもらっているのかもしれない。

アジャスターについても子供の頃から付けてたし…ということも結構ありえると思うのだがどうだろうか。

 

まとめ

上に上げた人以外にも、ソリストや有名プロでA線にアジャスターを付けている人は結構多い。オーケストラの人ならもっと多いかもしれない。

読者の方でこれを読んでA線アジャスターを付けて見ようかと思う人がいるかもしれないが、基本的にはやめておいた方がいいと思う。

スチール弦でペグだと全然合わないという場合ならともかく、やはりヴァイオリンの自然な音を殺す傾向の調整になるので、鳴らなくなるし、楽器を傷つける危険性も上がるし、コストはかかるし(微々たるものだが)基本的には避けたほうがベター。

 

あと上に書いたのはすべてフルサイズ、大人用サイズのヴァイオリンの話なので、子供用分数ヴァイオリンは全く別の話。分数はアジャスターを付けてもとりあえず問題ありません。

 

A線アジャスターについての考察でした。

ソロ演奏してきました

8/18にコンサートでヴァイオリンのソロ演奏をしてきました。

響きがとても良いホールで、客席ほぼ満員と、とても良い環境で演奏できました。

最近ずっとスランプで本番で間違えてしまったり、緊張しすぎてしまうことが多かったのですが、今回は過度に緊張せず、良いパフォーマンスを残せたかなと思います。

動画も撮影しました。

 

楽器も良く鳴ってる感じだし、中々いい感じかなと思います。

この間張り替えたエヴァ・ピラッツィゴールドはやはり良いですね。上質で大きな音が出てるので、本番用としては素晴らしいと思います。

劣化も感じられませんし(まだ1ヶ月も経ってませんが…)長く使えればまあそこまでコスパ悪くもないのかな…?

 

次のソロの演奏は決まってませんが、来年の春辺りに小曲、本当に軽い短い曲メインのリサイタルでもやろうかなーと考えてるところです。

だいぶ舞台でのメンタルコントロールもうまく行くようになってきたので、これからはどんどん演奏の機会を増やそうかなと。

 

そのまえにギターでライブの案件がありますが…まあこちらはなんとかなるでしょう。

 

とりあえずはレッスンやレコーディングなど落ち着いた作業が多くなりそうなので一息つける感じです。

ヴァイオリンのフィッティング、パーツの重さと音質変化

ヴァイオリンのあご当て、ペグ、テールピースなどのフィッティングを交換すると音が大きく変化する事がある。

その他にも、アジャスターやテールガットなど細かいパーツでも音質変化が生じる。顎当ての金具の種類でも変わるらしいが、今日はそこまで突っ込まない。

 

まずフィッティングの材質にはメジャーなところで、ツゲ、黒檀(エボニー)ローズウッドなどが挙げられる。ツゲは一般的に軽く、黒檀は重い。ローズウッドは中間である。

材質によっても音は違うと言えるのだが、実際に試してみた所、ツゲは柔らかい音、黒檀は芯のある硬めの音に変化することが多い。

ペグはあまり音質変化しないのだが、あご当て、テールピースは大きく音が変化する。私はあご当てはともかく、テールピースを黒檀またはブラックウッドなどにすると音がきつい感じになるのが嫌なのであまり使わない。楽器はほとんどツゲのフィッティングを付けてることが多く、たまに黒檀など気分転換で付けるのだが結局ツゲに戻している。

 

ツゲのフィッティングでも密度、重さなどで音の変化が生じる。もちろん楽器にもよるのだが、一般論で書いてみる。

重く密度が濃いツゲのフィッティングを楽器に付けると、しっとりとした柔らかめの音で、やや音量は小さくなるが、広がりがある音になりやすいと思う。

対象的に裏掘りなどがしてあって軽いツゲのフィッティングを使うと張りがある音になり、ハイが出るようになる。

 

今自分の楽器はオールドの方は重いクローソンタイプのあご当てを付け、テールピースは色の濃い年季の入ったもの。密度は詰まっている感じ。ペグは入手したときから付いているローズウッドのこちらは密度が薄いタイプ(ペグ穴が広がりすぎてブッシングをしないといけないのでそのまま)アジャスターはゲッツのものを付けている。

このオールドはなるべく柔らかく、しっとりした音を出したいのでこういうセッティングになっている。黒檀のテールピースや軽めのツゲのテールピースも試しているが、中途半端に明るくなってなんかパッとしない音になってしまったので、この楽器には重い部品が合っているようである。

 

それに対して新作の方は、軽いストラドタイプの顎当て、比較的新しい色の薄いテールピースを付けている。こちらもアジャスターはゲッツ。ペグやエンドピンもすべてツゲである。

新作の方は健康的にカーンと鳴るようにしたかったのだが、まあまあ狙い通りである。もともとフィッティングは全部黒檀だったのだが、ツゲに変えている。しかし黒檀のときも悪い音ではなかったと思う。(見栄え的にツゲのほうが合う)

 

オールドなどで柔らかい音の楽器はその柔らかさを生かして重めのツゲフィッティングを付けてみるのが良いのかもしれない。

 

このフィッティングなどの重さ、材質で音色が変わる理屈は私には良くわからない。体験的にこうというのはなんとなくあるのだが、ヴァイオリンの音はいろいろな要素が混じり合いすぎているためなんとも言えない。湿気によっても違ったりするし。

 

オールド名器にはツゲのフィッティングが付いていることが結構多い。まあオールド名器ならどのフィッティングでもいい感じに鳴ると思うが、ツゲの柔らかさが合っているのだろう。オールド名器の音は柔らかく繊細で、ローからハイまで良く鳴るため、クローソンなどの密度の濃い重いフィッティングがあってるのだろう。

 

フィッティングの世界も奥が深い。