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ラーセン イル・カノーネ ヴァイオリン弦のレビュー : 上質な音と長寿命 これはかなり良い…

こんにちは、Yuukiです。

ラーセンのヴァイオリン弦、イル・カノーネをしばらく使ってみたのでレビューします。

今回使ったのはMediumのG-A線、E線はワーシャル・ブリリアントの組み合わせです。


[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

E線 ワーシャルブリリアント Vn
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ラーセン イル・カノーネの情報

設計思想

The Il Cannone ® celebrates Paganini’s legacy with what we believe to be a truly revolutionary sound.

In the design and development process here at Larsen we always aim to produce the exceptional but it is only during the testing and trial process with hands-on musicians that we can truly know for certain. And we would seem to have succeeded. The feedback from musicians has confirmed that playability and feel on the fingerboard is excellent with a good resistance to the bow.

Designed to bring out the best in your violin, Il Cannone individual strings and sets are available as two versions. The Medium variant has a more moderate tension with an open, colourful, projecting, richer and powerful sound whilst the Soloist brings a fuller tone, with even more presence and focus.

Il Cannone ®は、パガニーニの遺産を称え、真に革新的なサウンドであると確信しています。

ラーセンの設計・開発プロセスでは、常に卓越したものを生み出すことを目指していますが、実際に音楽家と一緒にテストや試用をして初めて、確信を持つことができるのです。そして、私たちはそれに成功したと言えます。ミュージシャンからのフィードバックでは、演奏性と指板上の感触が優れており、弓への抵抗も良好であることが確認されています。

ヴァイオリンの魅力を最大限に引き出すために設計されたイル・カノーネの単品弦とセットには、2つのバージョンがあります。ミディアムタイプは適度なテンションで、開放的で色彩感に富み、突き抜けるようなリッチでパワフルなサウンド、ソリストタイプはさらに存在感と集中力のある充実したトーンを実現します。

Larsen Strings

パガニーニとその愛器、グァルネリ・デル・ジェス “il Cannone”をイメージした華やかで色彩感に富んだサウンド…を目指したそうです。

パワフルなサウンドでありながらも、テンション感が緩めで指板フィーリングが優れている、と説明にあります。

張力のスペック

実際に張力を見てみましょう。

E – 7.7 kg
A – 5.5 kg
D – 4.8 kg
G – 4.6 kg

となっています。

例えば、張力が強くパワフルな音で有名なエヴァピラッツィですと…

E – 7.8kg(Goldsteel 0.26),E – 8.6kg(Goldsteel 0.27), E – 7.8kg(Silvery Steel)
A – 5.6kg
D – 4.8kg
G – 4.9kg

このようにG線とA線、E線はエヴァピラッツィの方が張力が高めであることが分かります。

弦のテンションって0.1kg変わるだけでかなり手に伝わる感覚が変わってくるので、G線の0.3kgの違いは結構なものです。

しかし、ドミナントなどの標準的な弦と比べて弱いテンションでは無いので、あくまでサウンドキャラクターの割には…という所でしょうか。

後述しますが、数値上ではこんな感じになっていますが、実際のフィーリングは非常に良好で、たしかに柔らかい弦に感じます。エヴァピラッツィとはかなり違った感覚。

使ってみた感想

新作楽器(イタリア製)に張ってみた感想

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まず、今年1月に購入した新作イタリア製楽器、Raffaello Di Biagioに張ってみました。

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この楽器は音が太く柔らかい傾向、音量はそもそも大きめです。

強い弦ですとこういう楽器はうるさい、硬い感じになりそうですが全くそうはならず、豊かで太く、リッチ感のあるサウンドです。

Direct/Focus傾向 ではなく完全にBroad/Warm傾向ですし、SimpleではなくComplex傾向と言えるでしょう。

以前ラーセンの無印を試したときも思いましたが、ピラストロのガット弦、オリーブのサウンド傾向でもっと使いやすく、現代的にしたようなサウンド感です。

ガットのようにノイズが出てしまうほどではなく使いやすいです。多彩な音色というのはまさにその通りで、この弦を使ってしまうと流石にドミナントあたりはもはや旧時代の弦と思ってしまいます。それでも未だに代替がなく存在価値があるドミナントは凄いと言えます。

ドミナントというより、ヴィジョンやペーターインフェルドなどのトマスティック系の弦とは全く傾向が違います。ピラストロともちょっと違うと思いますが…

楽器との相性も良さそうです。ただパワー感がそこまで感じられず、リッチ感と太さが目立ち、この楽器は単純にテンションが弱めだと強い感じにはならないのかな?と思いました。

モダン・ドイツ製楽器に張ってみた感想

一応Raffaelloから外してモダン楽器にも張ってみました。

どちらかというとこちらが本領発揮という感じで、オールドイタリアンのような渋みとパワーが出てきつつ、楽器全体を豊かに振動させる感じがとても好ましいです。

こういう古い楽器に張力がかなり強い弦を張ると窮屈で苦しい感じの振動になってしまうのですが、そんな感じは全くせず、朗々と豊かに鳴らしてくれる感じがしました。

音色はガットのような感じがより強く出ました。楽器自体が暗く柔らかい音ですがノイズが出るところまではやはり行かず、使いやすいです。

タッチは柔らかい

弦がしなやかで表面も滑らかなので非常に指板フィーリングが良いです。

張力が強くなお硬いエヴァピラッツィは指の負担も大きく、少し疲れてしまいますが演奏してて指の負担が軽いと練習の疲労度合いも違ってくると思います。

長寿命

今年の4月から使っていて張ったり外したり、付け替えたりしていますが少しヘタれてきた感じがやっと出てきた程度なので、非常に耐久性が高いです。

巻線の物理的な耐久性も高く、ほつれたり錆が出たりがなく音色の耐久性は約半年と、非常に寿命が長い弦と言えると思います。

まとめ

  • テンションがやや低め、柔らかくタッチ感が良い
  • 音は非常に豊かだがノイズは無く、音量やや大きめ
  • 寿命が長く耐久性が高い

もともと好ましい弦を作っているラーセン社の意欲作と言える商品ですが、とても良い仕上がりになっていると思いました。

単純な爆発的なパワー、直線的な音色を求める方には若干物足りなさを感じてしまうかも知れませんが、この豊かさ、リッチ感、柔らかく上品なサウンドは一度試して頂きたいです。

どちらかというとオールド、モダンなどの古い楽器によく合うと思いますが、新作でも落ち着いた柔らかく品のある音になるのでおすすめです。Simple/Cleanすぎる楽器に合わせてすこし柔らかさを出してみるのも良いですし、豊かな音の楽器でもオーバーになることはないので良いと思います。

最近は弦の新製品が多く全然試せていないのですが、トマスティックのドミナント・プロとTiは試してみようと思っています。ピラストロのパーペチュアルはそもそも試していないのですがカデンツァというテンション低め版も出たようですね…カデンツァはちょっと気になりますがピラストロなのでお値段が少しお高めです。

あとはイル・カノーネ ソリストはどんな違いが有るのか試してみようかと。こちらは結構テンションが強くなっているようでよりパワフル、しかしタッチは柔らかめだそうです。

まあドミナントプロくらいは一度試してみようと思いますが、このラーセン イル・カノーネは大分気に入ったのでリピートしたいと思っています。


以上、「ラーセン イル・カノーネ ヴァイオリン弦のレビュー」でした。

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