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Raffaelloさんのフィッティングをツゲに揃えた

こんにちは、Yuukiです。

ブログ更新頻度が大分減ってしまっていますが、一つ一つの記事の質を上げていきたいなと思い、連続で更新しまくるのは控えています。

自分が好んで読む他の方のブログは長文でしっかり内容が詰まってる所が多いので、そういうスタイルを真似できたらと思っていますが中々難しいですね。

さて、今日はヴァイオリンのお話です。

Raffaello Di Biagioのセッティング

購入時は…

1月に購入したRaffaello Di Biagio(Raffaelloさんと呼んでいます)ですが、以前の持ち主のセットアップがかなり攻めた感じだったので、ちょっと自分に合うように調整している所です。

一番最初は弦がエヴァピラッツィ、フィッティングはすべてボガーロ&クレメンテのブラックウッド(これは作られたときから)、E線アジャスターはおそらくMAGICOさん秘伝の魔法のアジャスターが付けられていました。

とにかく音量重視という感じで、試奏の段階で凄まじい音がしていましたし、音が大きいのはまあ好印象ではあったのですが、元々音がかなり大きい楽器なのでセッティングはもうちょっと優しい感じにしても良いかなと思いました。

テールピースとあご当てをまず交換

ブラックウッドのフィッティングは音も見た目も好きではないので、まずテールピース、あご当てをツゲに交換。

音はやや明るくなり、広がりが出るようになりました。

あご当ては自分はブラックウッドだとアレルギーまでいかないのですがなんか首の皮膚が痛くなってしまうのでツゲしか使いません。以前からメインで使っている古い楽器につけていたガルネリ型のあご当てが気に入っているので付け替えました。

見た目も明らかにツゲの方が上質な感じに見えます。人によっては新作は黒いほうが落ち着いて見えるので好きという方もいますが、自分は基本的にツゲのフィッティングのほうが見ていてなんだか落ち着くというか、自分の楽器だなぁと思います。

モダンイタリーのプレッセンダやファニョーラの様な真っ赤な楽器(ペドラツィーニとかもか)はエボニーや黒いフィッティングが合うかなと思いますが、オレンジ系の楽器はやはりツゲが良いですね。

エボニーは落ち着いた音、ツゲは明るく開放的な音、と言われますがこれに関しては懐疑的で、どうもエボニー含む黒い木系のフィッティングは音がきつくなる印象があります。

最近色々製作家の方のブログなどを見ているとエボニーは基本的にはフィッティングの中では音、強度的に一番優れた素材だそうで、入門用楽器やミドルエンドの新作楽器に付いていることが多いのは加工のしやすさ、見た目の無難さ、音の落ち着いた感じが好ましい結果になることが多いため付けることが多いということでした。

自分が苦手なブラックウッドに関しては情報が少ないのですがどうもフィッティングの素材としてあまり良いものと思えません。匂いも変な匂いがして気になりますし、繊維が強く硬すぎてペグに使ってもなめらかに動かず、その硬さからペグホールを痛めそうです。

まあこれがエボニーだったらもう少し良かったのかもしれませんが、まあエボニーも別に好きではないのでツゲにしたという感じです。

ローズウッドはどうなのかというところですが実は結構気になっていて、美観的には新作楽器に使っても変に浮かない(モラッシー一派の楽器に多いです)見た目、音も中庸で良さそうです。

ただ昨今ローズウッドは中々流通しづらくなっており、そもそもパーツを揃えるのが難しそうという所がありますね。

話が少し逸れてしまいましたが、これでもちょっと跳ね返りが強く、詰まったような音が強い感じがしていましたが、しばらくこのセッティングで使っていました

演奏動画も一本撮影しましたね。

ちょっと力み気味、ヴィブラートの調子が悪い感じがしますが…なにげにしっかりとした動画作品ではRaffaelloさん初のお目見えになります。

やはり以前から所有しているモダン楽器の方が柔らかい音、ヴィブラートの広がり感が良いと思います。家のレッスン室くらいで弾くにはRaffaelloさんは音のスケールが大きすぎるのかもしれません。まあ色々試して見て使い分けをしようと思っています。

アジャスターを交換

お店に確認したわけではないのですが、E線アジャスターはMAGICOさん秘伝の魔法のアジャスターだと思います。

非常に鳴りが良くなる、楽器のパワーを底上げする、という効果があるそうなのですが、Raffaelloさんにつけているともしかしたら自分の好みからするとやりすぎかな…?という感じがしたので、普通のGotzのアジャスターに付け替えてみたら、少し柔らかい感じに。

悪く言うとあの底知れないパワーがややなりを潜め、楽器店で良質なイタリア新作の楽器を試奏した時の「普通の良質なイタリア新作の良い音ですね」という感じの音です。

自分的にはこのくらいでも十分パワフルに感じるしバランスも良く感じます。

それでその魔法のアジャスターですが、モダンに付けたらかなり良い印象に。音量アップ、音の抜けも良くなり全体的にワンランク楽器のレベルが上った感じがします。これは棚からぼたもちというか、思わぬ良い誤算でした。

あとは魂柱を調整してもらえば大分自分好みのバランスになるかなと思ったのですが、タイミング的に都内にあるお店に行きづらくなってしまい…

ペグとエンドピンを交換

とりあえず魂柱調整は置いておいて、気になっていたペグとエンドピンの交換をDIYでしてみることにしました。

といっても自分はそういう作業は出来ず、父がアマチュアですがヴァイオリン製作を趣味で少しだけやっているため、以前違う楽器に付けていたペグとエンドピンを加工して付けてもらいました。

ペグです。

ツゲは削ると真っ白になるので、薬品や塗料で染めるのですが(敢えて何もしない人もいます)、その染め作業を自分でやったら案の定微妙な感じになってしまいました。色ムラが出来てしまいましたね…まあ良いでしょう。

暗くて全然見えませんがエンドピンもツゲにしました。

これでフィッティングはすべてツゲになりました。

音はペグとエンドピンだから変わらないだろうと思ったら少し柔らかくなりました。大分良くも悪くも普通のバランスになってきた気がします。

全部ツゲになったRaffaelloさんの全体図です。やはりこの見た目が落ち着きますね。

ちなみに弦は色々試し中ですがGDAペーターインフェルド、EはプリムのリサというステンレスのE線のミディアムゲージです。GDAは多少強い弦でも良さそうですがEは普通のテンションの方が良いかもしれず、中々難しい所です。

少なくともこのプリムのミディアムゲージだと自然な澄んだ柔らかい音がしています。

どう見てもツゲの茶色フィッティングの方が良いですね。

※2021/04/19追記

ペグですが結局塗装が気に入らなかったので剥がしてしまいました。まあこれもこれで綺麗で良いですね。

おわりに

色々途中脱線しましたが、フィッティングがすべてツゲになったので見た目も良くなり大変満足ですというお話でした。

音に関しては魂柱や駒の調整を追い込んでいけばもう一歩好みの音になると思いますが、やはり第一印象から良かった楽器なので毎日弾いててとても楽しいです。

モダン楽器の方は非常に渋く柔らかい音なので耳当たりが優しく、録音しても良い音ですがややパワーには欠ける所がありますし、音の素質としてはやはりこのRaffaelloさんの方が潜在的に一歩以上上手な感じがしています。

まだ新しい楽器で鳴りきっていない所はありますが上手く鳴らせると非常に太く艷やかな音が引き出てきますし、明るさと芯の太さ、艶やかさがある音はやはりイタリアだなって感じがします。

上の動画を見てもらえば分かる通り、まだ自分の方が力んでしまったり最大限にいい音を引き出せていない感はありますが、これからも毎日弾き込んで素晴らしい音が出せるように精進したいと思っております。

それでは、「Raffaelloさんのフィッティングをツゲに揃えた」でした。

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