新作バイオリンを使っているプロバイオリニスト

バイオリン

プロのバイオリニストは普通古いオールドの楽器を使っているイメージがありますよね?

バイオリンに詳しくない方もストラディヴァリウスとかグァルネリとか、お正月の格付けで聴いたことあるかもしれません。ああいう高い楽器はすべてオールドイタリアンで300年程昔に作られた楽器です。

有名なプロ演奏家は皆ストラディヴァリウスを使っているかというと実はそうでもなくて、新しい楽器(新作)を使っている方もいます。

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新作楽器を使う理由

オールドバイオリンというのは結構デリケートなもので、ちょっと天気が悪いとか、標高が高い場所だとかで音が変わってしまったりしますし、また古いものなので頻繁に故障が出て修理、調整を頻繁に行わなければならなかったりします。

俺もそこそこ古い楽器をメインで使っていますが、100年ものくらいでも結構頻繁に工房で見てもらってるので、300年クラスのオールドだとかなり手間がかかると思います。

世界を飛び回るソリストなんかはスケジュールもタイトなのに予期せぬトラブルが起こると相当面倒な思いをしてるのではないかと思います。

かたや新作楽器ですと健康で丈夫、気候による音の不調も起こりづらく、いつでも仕事に使えます。

またオールドだと調整が出来る楽器店、技術者が限られていますが新作だったら一般的なところで調整してもらえると思います。まあソリストはあまりわけのわからない楽器店に預けないと思いますが…

新作楽器をメインで使っているプロ奏者

クリスティアン・テツラフ

Stage@Seven: Beethoven: Violin Concerto – Christian Tetzlaff / Andrés Orozco-Estrada

テツラフは2002年製のシュテファン・ペーター・グライナーの楽器をメインで使用しています。

グライナーの楽器は新作ですが一般的に出回っているものでなく、グライナー自身が腕を認めたプロ演奏家にフルオーダーという形でしか作らないそう。値段も高価で600万〜1400万と新作とは思えないプライスです。

グライナーはドイツ人ですが工房はイギリスにあるのかな?

一度試奏したことがありますが(テツラフの楽器では無く)非常にパワフルな楽器でした。でもオールドと間違えるような感じでは無かったです。

テツラフは弓もベノワ・ロランドという新作を使っているそう。ほかにもカーボンのアウクスを使っていた時期もあり結構新しい物を柔軟に取り入れる人ですね。

ユリア・フィッシャー

Julia Fischer Mendelssohn Violin Concerto | Festkonzert zur Eröffnung des Kulturpalasts Dresden

ユリア・フィッシャーは以前はオールドのG・B・ガダニーニをメインで使用していましたが現在はフィリップ・アウグスティンの2011年製の楽器を使用しています。

フィリップ・アウグスティンもドイツ人。ユリア・フィッシャーもクリスティアン・テツラフもドイツ人でドイツの楽器を使ってるというのが興味深い👀日本人が日本の製作者の楽器を使うような感じなのですかね。

ふたりとも新作ですがアンティークフィニッシュの楽器を使用しています。というのも日本で人気の新作イタリア製はフルバーニッシュ(ダメージ加工なしピカピカの仕上げ)が多いのですが、世界的に主流なのはアンティークフィニッシュで、客席から見てもオールドと遜色ないものが多いです。

アンティエ・ヴァイトハース

Beethoven: Kreutzer Sonata – III. Presto /Antje Weithaas, violin & Thomas Hoppe, piano

アンティエ・ヴァイトハースもグライナーの楽器をメインで使用中。2001年製だそう。

グライナーはグァルネリ・デル・ジェスが好きなようでデル・ジェスモデルの楽器がかなり多いです。

サブ楽器として新作を所有しているプロ奏者

レオニダス・カヴァコス

Sibelius: Violin Concerto / Kavakos · Rattle · Berliner Philharmoniker

レオニダス・カヴァコスもテツラフと同じくグライナーの楽器を所有しています。

とはいえメインは1734年製ストラディヴァリ”Wilmotte”で大体のステージはストラディヴァリを使用しています。彼は何本も良い楽器を持っているのでどれがグライナーを使っている動画か分かりませんでした…上の動画は参考までに。

ジェイムズ・エーネス

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世界最高峰のテクニックを持つジェイムズ・エーネスは最近アメリカのGarrett beckerの楽器がお気に入りの様子。メインは1715年製ストラディヴァリ “Marsick”です。

エーネスはとにかく上手いですね、日本での知名度は不思議とそこまででないですが(最近知名度が上がってきた印象も)推しのヴァイオリニストです。

James Ehnes – Ysaÿe: Sonata No. 3 for Solo Violin "Ballade"

レイ・チェン

Ray Chen al Museo del Violino suona Il Guarneri del Gesù 1734 "Principe Doria"

レイ・チェンはストラディヴァリと併用でアメリカのKurt Widenhouseの楽器をかなり気に入って使っているようです。彼のFacebookページなどでよく弾き比べなどしていますがストラディヴァリと比べても遜色ない音だと思います。まあ弾いている人が上手いからというのは大分大きいとは思います。

ギル・シャハム

Gil Shaham – Prokofiev: Violin Concerto No. 2 – Yannick Nézet‐Séguin/Bavarian Radio Symphony

ギル・シャハムは珍しく見るからに新作といった感じのフルバーニッシュの楽器を最近使っています。

こちらはAndrianik Gaybarianという製作家の楽器だそうです。音に関しては少し線が細い感じがするかな?

ギル・シャハムは非常に上手で表現もとても好みなのですが彼の弓の張り方だけは真似してはいけません(笑)

徳永二男

音のギフト ②

日本の大バイオリニスト、徳永二男先生。門下生が華々しい活躍をしていることから名教師としても知られています。

良い楽器を色々お持ちのようですが、メインのストラディヴァリの他に、イギリス新作のフィリップ・イーレ、文京楽器取締役の堀酉基さん作の楽器、その他色々使われているようです。上の動画はストラディヴァリの様に見えますが…最近のアンティークフィニッシュの新作はよく出来ているのでもしかしたら新作かもしれません。

まとめ

何人か紹介してきましたが他にも新し目の楽器を使っているソリスト、プロ奏者は沢山いらっしゃいます。

紹介してきたソリストに共通しているのはイタリア新作が一人もいないということ。というか、自国やゆかりのある国の楽器を使っている場合が多い印象ですね。日本の楽器店だと置いてあるものがイタリア新作が多いと思いますしお店の人や先生もイタリアを推す事が多いと思いますが、必ずしもイタリアでないといけないということでは無いんですね。

もちろんイタリアのものでも良いものは良いので、海外のソリストはイタリアものを使ってないからイタリア製はダメだ!という考えにならないように注意したほうが良さそうです。

このような新作バイオリンはスーパー新作、またはスーパー・モダン・バイオリンと呼ばれ、最近国内で取り扱う楽器店も増えてきています

とはいっても今日紹介した新作楽器は基本的に日本の店頭では買えないような製作家のものなのですが、参考になれば幸いです。

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