こんにちは、Yuukiです。
久しぶりに新しくギターを買いました。
Fender AMERICAN PROFESSIONAL II STRATOCASTER Maple Miami Blueです。
Fenderは今までJapanは結構な数所有してきましたが、USA製は昔買ったジェフ・ベックのシグネチャーモデル以来2本目となります。
アーティストモデルなどでなくUSAの通常ラインのモデルは所有するのは初めてです。
写真付きで細部を細かく見ていくと同時に、音や作りの面を見ていこうと思います。
Fender AMERICAN PROFESSIONAL II STRATOCASTERの仕様
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特徴
- 3基のV-Mod II single-coil Stratocasterピックアップ
- アップグレードされたコールドロールドスチールブロック装備の2点支持トレモロ
- 丁寧なエッジ処理が施されたDeep “C”ネックシェイプ
- ボーンナット、快適なベンディングを実現する22本のナロートールフレット
- EQバランスを維持したままボリュームが絞れるトレブルブリード回路
- デラックスハードケース付属
スペック
ボディ、ネック木部です。
- アルダーボディ(グロスウレタンフィニッシュ)
- スーパーナチュラルサテン メイプルネック
- 25.5″ (648 mm) レギュラースケール
- 9.5″ (241 mm) 指板ラディアス
- 42.8mmナット幅
- メイプル指板
- Deep Cネックシェイプ
- 22フレット
- Narrow Tall サイズフレット
- 牛骨ナット
電装系は以下の通りです。
- V-Mod II Single-Coil Strat® ピックアップ
- 一般的な5Wayセレクター
- 1Vol,2Toneコントロール(ブリッジ単体にトーンが効く配線)
という一般的なストラトのスペックにプラスして
- Push-Push Tone Control Adds Neck Pickup
という仕様が追加されています。(詳しくは後述)
また、ハードウェアは、
- 2点支持シンクロナイズド・トレモロブリッジ(スチールサドル、スチールブロック)
- ポップインタイプのトレモロアーム
- Fender® Standard Cast/Sealed Staggered チューニングペグ
- ニッケル/クロームパーツ
となっています。
一般的なモダン寄りなストラトという感じですが、Push-Pushのスイッチで音のバリエーションが幅広くなっていたり、質の高い素材やパーツを使用することで10万前後クラスの普及価格帯ギターよりワンランク上の質感を楽しめる様になっています。
指板ラディアスが9.5Rなのは嬉しいですね。ヴィンテージタイプの7.25Rのストラトはベンドした時に音が詰まったり運指がしづらかったりと相当使いにくいです。最近のUSAモデルはAmerican Originalシリーズなども9.5Rが標準となっている様ですね。
価格は定価が税込み207,900円(税込み)と、それなりのお値段。American Ultraシリーズよりは安いですがメキシコ製やMade in Japanモデルより10万円近く高額となっています。
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ケースと付属品
Fender AMERICAN PROFESSIONAL II STRATOCASTERの付属品を見ていきます。
ケースはヴィンテージタイプのトーレックス…ではなく、デラックスタイプとなっています。
見た目はやはりヴィンテージタイプの方が分がある様に感じますが太いハンドル、Travel Sentryロック、分厚くしっかりしたゴム足など実用的にはこちらの方が良さそうです。
開けるとこの様に収納されています。Fenderの香り…が少し薄くやや残念感も。
内装はグレーでふんわりとした素材、クッション性は抜群で保護性能は問題有りません。
付属品はこの通り、大きなピック型の保証書、品質チェックシート、乾燥剤、鍵、etr…
さらにポーチの中身です。ステッカーとレンチ類と制作証明書。
制作証明書です。Suhrの様なカスタムオーダー品ではないのでスペックシートではありませんが、しっかりとした高級感ある厚紙にシリアルなどが記載されています。
本体をチェック
さて、本体を見ていきましょう。
本体全体
Miami Blueが発色良く美しいです。このカラーでメイプル指板のものがプロモーションなどでよく使われていますね。
Tom AndersonのBora Bora Blueと若干似た傾向の色で、実物は緑がかっているけどレンズを通すと水色に…という不思議なカラーです。実物のイメージはSuhrのスコット・ヘンダーソンモデルに近いかも知れません。
愛用のメイン、Suhr Standardと比較するとかなり明るく薄い水色ですね。
ヘッドストック
ヘッドストックはスモールヘッドのスパゲッティロゴ。個人的に好きなタイプです。
ペグはロトマチックタイプで現代的なタイプです。クルーソンタイプは見た目は良いですがプレーン弦が抜けやすかったりとやはり実用性に難ありです。
ただロックペグではないので、これは近いうちにFender純正のロックペグに交換したいと思っています。
ストリングガイドは羽タイプで、下にスペーサーが付いています。
裏側はシリアルなんかも入っています。
ネック
ネックを見ていきましょう。
グロス塗装されたメイプル材はほんのりと黄色がかっています。
昔のFender Japanはヴィンテージに寄せた感じでかなり黄色味が強かった、現行のUSAはほんの少し黄色っぽいという程度です。
といってもSuhrと比べるとかなり黄色っぽく見えるかと思います。
ローズウッド指板のモデルも素敵ですが、このMiami Blueに関しては明るいメイプルが合ってるのでは…と思います。
おそらくワンピースのメイプルで、木取りは普通に板目。高額なハイエンドギターは柾目が多いですがFenderはヴィンテージの時代から板目のものも多く、板目ならではのワイルドな音が良いという意見もあり好みの問題でしょう。
ネックの太さに関してはSuhrよりは少し太めですが握った瞬間太いと思わせるようなものでなく、極めて自然な握り心地になっています。
Mexico製のPlayerも比較検討したのですが、このネックの握り心地に関してはやはりUSAの圧勝でした。
といってもPlayerも非常に優れたギターで、音はしっかりFenderらしい音がしていましたし、作りも言われているほど悪く無さそうな感じでした。パーフェロー指板は好き嫌い分かれそうですね。Suhrの高いギターにも使われてる素材なのでパーフェローだから安物ということは決して無いのですが…
裏面ははっきり板目が分かる見た目になっています。
さわり心地はこれも独特でグロスのツルッツルのものではないのですが、サテンというほどサラサラもしておらず、強いて言うならサテンのネックが経年で削れて艶が出てきた…という感じの質感です。
正直言うと普通のサテンのほうがさわり心地は良いですが、見た目の高級感と演奏性を上手くバランスをとった結果こうなったのかもしれません。
ネックジョイントのヒールレスカットは控えめですがあると無いとでは大違い。地味に効いてきます。
ボディ
ボディは普通のストラトです。これよこれ!
コンポーネント系のストラトはディンキーサイズなので微妙にストラトより小さく、こういったFenderのストラトはフルサイズなどと呼ばれたりもします。個人的にはこのフルサイズの見た目が最近好きで、やっぱり見た目のバランスも良いと思うんですよね。
ピックアップカバーやピックガード、ノブなどはヴィンテージホワイトのいい色です。この色が難しくて色々な部品メーカーで微妙に発色が異なったりします。Fenderの純正を買えば迷わなくて済むのですが少し高いんですよね…
今回3Sのモデルを選択したのは最近ハードなディストーションを伴わないクリーンな音色を使う事も増えてきたこと、リアハムの汎用性の良さにちょっと飽きた(笑)という所です。
このPush-Pushスイッチとなっており、リアのトーンスイッチを押し込むと跳ね上がってAuxillary Switchingがオンになり、常にフロントPUがブレンドされた状態になります。
これはファンク系のカッティングフレーズなどの時に便利で、リア単体だとちょっと痛くなりがちな所がややマイルドになり、上品な音に変わります。最近の邦ロックなんかでも良く使われるサウンドで非常に使いやすいのではないかと思います。
SSHのモデルだと普通にタップスイッチとなっているようです。
ブリッジはFender製の2点止め。スプリングが柔らかいのかかなりスムーズで、かつチューニングも狂いにくく驚きました。Fenderもモダンスペックだとこんな使いやすいくなってるんですね。
ボディ背面
背面はこんな感じ。バックプレートは使わないので外しています。コンターがちょっと深いかも?
この黒いスプリングは柔めですね。
少し近づいてみましょう。
ちょっとハイエンド系や日本製のギターと比べると正直綺麗ではありません。というか汚いですね。ネジの締付け具合も左右均等でなくしっかり平行になっていません。
日本製だったら20万出してこれはクレームが来ますが、Fenderなので…
アースの半田はしっかり付いています。
ブロックもやや心もとない見た目に見えますがしっかりと鉄製。
中身を見てみる
折角なので自分好みにセットアップするついでに、ピックガードを外して中身の配線などをチェックしていこうと思います。
弦を外しました。
配線をチェック
はい、中身はご覧の通り。結構複雑な配線で自分でいじるのは難しいかな…という感じ。
ピックアップの線や配線材はしっかり太いものが使われており、導電シールも貼ってあります。ポットはCTSのヴィンテージタイプかな?
スイッチはちょっと触りたくないです。
ザグリは弁当箱ではなく、HSHです。一般的なピックアップ配列はすべて対応できます。気が変わってもっとモダンにしたい!という時でも木を加工せず改造可能です。
なんか無造作にシールが張ってあります。
ネックも外してみる
折角なのでネックも外しました。ここは意外と(失礼)きれいですね。
プレート裏もきれいです。
ジョイント部も結構きれいに加工されています。流石にこういう所は音に影響するので妥協してませんね。
2020年の8月31年にコロナ工場で作られたようです。ちょうど一年前くらいですね。
77…は管理番号でJavierさんが作ったのでしょうか?
この辺は問題ない精度ですね。
ネック側。
ネックは2020年の9月4日に作られたようです。
ネック周りは結構丁寧に作られていて安心しました。この辺りが雑だとプレイアビリティに影響が出てきますし音の伝達も悪くなってしまいます。しっかり決める所は決めてある印象。
セットアップ
中身も見て満足したのでセットアップして弦を張っていきます。今回張るのはSITの09-46ゲージ。
テンション感と音の感じがストラトに合うと思って選びました。
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裏のスプリングも調節して、ナットに一応フリーダムのグリスを塗り…セットアップ完了です。
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音と弾き心地を検証
さて、いよいよ肝心な音と弾き心地の部分です。
といってもこの部分は主観になってしまうので、正確にお伝えするのが難しいので、簡潔に書いていこうと思います。
伝統的なストラトサウンド
音はもうド直球ストレートのFenderストラトの音です。
チューブアンプでクリーンで鳴らした時はガラスが割れるような張りのあるきらびやかなサウンド。
クランチではちょっといなたい、ちょっと古い感じの渋いサウンドですが、太さも有るため使いやすいです。
余談ですが、MexicoのPlayerシリーズはかなりFenderらしい音なのですが、”らしさ”を強調しすぎて少し線が細くなってしまっています。しかしこのAMERICAN PROFESSIONAL IIはFenderらしさを保ったまま使いやすい太さも併せ持ち、非常に使いやすくなっています。
派手に歪ませると攻撃的な荒々しさがあるサウンド。やっぱこの音が欲しくてFenderを買ったようなものです。
コードワークの時に押し出し感があり、バンドでもしっかり前に出るのではないかと思いました。
PROFESSIONALの名に恥じない出音ですね。合格です
長年弾き込んだ相棒のような弾き心地
弾き心地に関しては、正直試奏の段階で戸惑いました。
なんというか、新鮮味が全然なく、いつも弾いているギターのような…(笑)
それだけ違和感が少ない出来なのだと思います。もちろん問題ありません。
最後に重さを測ってみましたが標準的な3.5kg、しかしバランスが良いのか軽く感じます。この軽さも弾き心地の自然さにつながってるのかも知れません。
まとめ
かなりの長文になってしまいましたが、新しく購入したFender AMERICAN PROFESSIONAL II STRATOCASTERのレビューを終わります。
Fenderのストラトとしてはど真ん中のグレードで、仕様もあまり尖った所がなく初心者から上級者まで幅広く”普通”に使えるギターになっていると思います。
少し作りの雑さが見える部分がありましたが音に関する所の加工はしっかりしており、楽器の細部を通じてアメリカ人の気質がなんとなく伝わってくるような印象がありました。
購入した動機としては本場USAのFenderの音が欲しかったという所、ストラトは以前から好きだったものの、ヴィンテージスペックのものは使いにくい…と思っていたのでこのモダンなスペックのAMERICAN PROFESSIONAL Ⅱを選んだのが正解だったと思います。
気軽に購入するには少しお高めの値段になりますが、7万円前後のギターを普段使ってる初心者〜中級者の方に是非試奏など触ってみて欲しいギターです。
Fenderですし多くの楽器店で見ることが出来るギターなので、入手性は悪くないと思いますが、意外と音や重さの面で個体差があって結構違うようなのであれ?と思ったら即決せずに別のお店でも試してみるのが良いかと思います。
今は家弾きメインですが、新しいこのストラトで演奏動画でもたまには撮ってみようかなと思います。
それでは、「Fender AMERICAN PROFESSIONAL II STRATOCASTERをレビュー : 進化した”プロ”の実力は?」でした。
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