1月に購入したTom AndersonのClassicだが、最初は中々馴染めなかったものの、最近は殆どメインの様な扱いになっています。
去年購入したSuhrのStandardとスペック上は殆ど変わらないが、キャラクターが色々な意味で結構違う感じです。
Tom Andersonの方はフロイドローズ、スイッチルーシステムがとっつきにくいが、音はプレーンで太く、気持ちの良いサウンド。Suhrはコンポーネント系ならではのまとまりはあるが、幾分かヴィンテージ寄り(Tom Andersonと比べれば)
これは元々プレイヤーの経験があり、シェクターでモダンな実用性のあるギターを作っていた後独立したというトム・アンダーソン氏の経歴を考えると納得できます。伝統より実用性を重視した設計思想なのかなと。
対してジョン・サーはFenderのマスタービルダーという経歴もあるし、Fenderの伝統的なサウンドを更に発展させたという所でしょうか。
音の違いというと、まずフロント、センターのシングルコイルの設計の違いからくるサウンドの傾向の違いがあります。どちらもノイズレスの機構はあるが、Suhrの方はスタックではない普通のシングルコイルにダミーコイルの様な物を繋ぎ、ハムキャンセリングしてノイズが無い。なので、ノイズレスながら芯のある硬めの音。
Tom Andersonの方はというと、シングルコイルを2つ重ねたスタックタイプなので、普通にオンにすると角が取れた柔らかいサウンドです。やや抜けが悪い印象も受ける。
しかし、タップ状態にするとかなりハイが強い、ジャキジャキ感のあるサウンドが出力される。代わりにノイズは乗りやすくなる。自分としては、スタックそのままよりこちらのサウンドの方が断然好み。ただ、Suhrの方がまとまりがあり使いやすい感じはします。Tomのタップはちょっと暴れすぎる感じもあります。
あとはブリッジの違い。Tom AndersonはFloyd Rose、SuhrはGOTOHの2点支持シンクロなので、Suhrの方がコンサバティブでシンプルなスタイルです。
Floyd Roseは平坦なサウンドになりやすいというのも確かに少しあるのかもしれないが、そこまで不自然には感じませんね。これは作りの良さ、木材の質の良さなどでカバーされているのだと思います。
Suhrの2点支持シンクロは可動幅は少ないものの、スムーズなアーミングが可能で、ニュアンスを微妙に表現するのに適しています。また、セッションやライブなどでドロップチューニングをした時に、調整し直さなくてもなんとかなる所が大きい。Floyd Roseは構造的にドロップチューニングは調整なしでは出来ません。(Dチューナーを付ければ例外的に可能)
と、違いを書き出してみたが、実際買ったばかりのTom Andersonの方ばかり弾いてしまいます(笑)
両方高い質の良いギターなので、どちらかばかりになるのは勿体無いので使い分けを敢えて考えてみると…
例えば、去年活動していたバンドのライブではセットリスト中にドロップチューニングが必要でした。この場合、必然的にSuhrしか使えません。
半音下げ、全音下げ等のチューニングはKemperなどトランスポーズを使えば問題ないし、敢えてチューニングを変えるとしたらどちらかをドロップチューニング専用に調整するのが良いかもしれないですが、そもそもドロップチューニングを普段そこまで使わないということもあり、余計使わなくなってしまいそうです。
あとはどちらもレギュラーチューニングで同じゲージの弦を張り、完全に気分で使い分けるというやりかた。これまで話に出てきてないが、Fenderのストラトもあるし、ストラトをドロップ用にして、SuhrとTom Andersonのハイエンド兄弟は同じ状態にしておくという方法。
こちらの方法のほうがまだ、両方平等に使える感じもします。Tomをロック、ハードロック寄りの曲の時に使い、POPS、アニソン系はSuhrとか。
そういえば、Tom Andersonを弾いたあとにSuhrを弾いたらかなり重く感じたので図ってみた所、Tomが3.3kgでSuhrが3.7kgでした。400gもSuhrの方が重かった!
ストラトもあまり軽くないのでSuhrも重さは気にしてなかったが、ディンキーシェイプで3.7kgは中々重い方なのでは?
ギターケース一つでリハに行く場合、EV-5エクスプレッションペダル一個分くらい違いますね…
最近はミニマル思考が流行っており、自分もなるべく持ち物を軽く、少なく、という事を実践してるので、リハに行く際もなるべく持ち物を減らして軽くしたいので、なんだかんだ言って結局軽いTom Andersonの出番が多くなりそうです。
結局楽な方を選ぶというオチ…