ヴァイオリンのあご当て、ペグ、テールピースなどのフィッティングを交換すると音が大きく変化する事があります。
その他にも、アジャスターやテールガットなど細かいパーツでも音質変化が生じます。顎当ての金具の種類でも変わるらしいのですが、今回はそこまで突っ込みません。
まずフィッティングの材質にはメジャーなところで、ツゲ、黒檀(エボニー)ローズウッドなどが挙げられます。ツゲは一般的に軽く、黒檀は重い。ローズウッドは中間といったところです。
材質によっても音は違うと言えるのですが、実際に試してみた所、ツゲは柔らかい音、黒檀は芯のある硬めの音に変化することが多いです。
ペグはあまり音質変化しないですが、あご当て、テールピースは大きく音が変化する。俺はあご当てはともかく、テールピースを黒檀またはブラックウッドなどにすると音がきつい感じになるのが嫌なのであまり使いません。
楽器はほとんどツゲのフィッティングを付けてることが多く、たまに黒檀など気分転換で付けたりもしますが結局ツゲに戻しています。
ツゲのフィッティングでも密度、重さなどで音の変化が生じます。もちろん楽器にもよりますが、一般論を。
重く密度が濃いツゲのフィッティングを楽器に付けると、しっとりとした柔らかめの音で、やや音量は小さくなるが、広がりがある音になりやすいと思います。
対象的に裏掘りなどがしてあって軽いツゲのフィッティングを使うと張りがある音になり、ハイが出るようになります。
今自分の楽器はオールドの方は重いクローソンタイプのあご当てを付け、テールピースは色の濃い年季の入ったもの。密度は詰まっている感じです。
ペグは入手したときから付いているローズウッドのこちらは密度が薄いタイプ(ペグ穴が広がりすぎてブッシングをしないといけないのでそのまま)アジャスターGotzのものを付けている。
このオールドはなるべく柔らかく、しっとりした音を出したいのでこういうセッティングにしています。黒檀のテールピースや軽めのツゲのテールピースも試していますが、中途半端に明るくなってなんかパッとしない音になってしまったので、この楽器には重い部品が合っているようです。
それに対して新作の方は、軽いストラドタイプの顎当て、比較的新しい色の薄いテールピースを付けています。こちらもアジャスターはGotzで、ペグやエンドピンもすべてツゲを付けています。
新作の方は健康的にカーンと鳴るようにしたかったのでまあまあ狙い通りです。購入した時フィッティングは全部黒檀だったのですがあとからツゲに変えています。しかし黒檀のときも悪い音ではなかったと思います。(見栄え的にツゲのほうが合う)
オールドなどで柔らかい音の楽器はその柔らかさを生かして重めのツゲフィッティングを付けてみるのが良いのかもしれないですね。ストラディヴァリやグァルネリには重めのクローソンのフィッティングがついてることが多い気がします。
まとめてみると、
・明るい音にしたいなら軽いツゲのフィッティング
・柔らかく深い音にしたい場合は黒壇、または重いツゲ
などが合うと思いますが、一概にこうとも言えないので色々試してみると良いと思います。