こんにちは、Yuukiです。
今回はヴァイオリンの奏法解説、皆さんが演奏する時に欠かせないヴィブラートについて解説します。
動画もありますので合わせてご覧ください。
ヴィブラートとは
まず大前提としてヴィブラートとはどういうものか。
ヴァイオリンは弦を振動させて音を出しますが、その弦を指で押さえて音程を取ります。
その指の角度を変えると音程が微妙に変わりますが、一定周期で角度を変えて戻すという事を繰り返すと音に周期的な揺れが発生し、それをヴィブラートと呼びます。
上手な方のヴィブラートを録音してDTMソフトなどで波形を見ると綺麗に周期的なカーブが出来ています。
この一定周期で揺れを発生させるというのがヴィブラートを掛ける点で一番大事なことです。
実際のヴィブラートの習得方法
まずヴィブラートをかけたことがない、これからかけられるようになりたい方への解説です。
まず中指か薬指、すなわち2か3の指で始めるのがやりやすいと思います。
指をおいたら下方向に角度を変えて戻す、これをかなりゆっくり行います。
ゆっくりで一定周期でできるようになったら段々と速くしていくという作業を毎日やってみると段々とヴィブラートがかかるようになります。
2と3の指でうまくできるようになったら1、そして4の指も使ってみましょう。
1の指はしっかりと動きを出さないとかかりづらいですし、4の指は個人差がありますが力が弱いので、他の指の支えをしっかりと使ってかけます。
すべての指でしっかりと同じ様なヴィブラートをかけられることが美しい音への近道となります。
腕のヴィブラート(肘のヴィブラート)
さて、その角度を変えて揺れを発生させるのにはもちろん動きが必要となりますが、どこから動かすかという問題があります。
まずは腕全体、肘から先を使って揺れを発生させてみましょう。
肘から先を手前、奥に動かすのを音が出てる間続けるとヴィブラートがしっかりかかりますが、これを腕のヴィブラートと言います。
腕のヴィブラートは柔らかく大きい動きになりますので、ゆっくり歌うフレーズや大胆な表現をしたい時に向いています。
手首のヴィブラート
腕のヴィブラートと別に、手首のヴィブラートというものもあります。
こちらは肘から先全体を動かす腕のヴィブラートと異なり、手首を柔らかく一定周期で動かすことにより揺れを発生させるヴィブラートとなります。
こちらは少しコツが必要ですのでしっかりと練習しましょう。
ドアをひねる動き、または友達に手をふる時の動きが近いと言われており、手首をとにかく柔らかく保ち一定周期で動かします。
こちらは速いパッセージの中で使ったり鋭い音になりやすく、強い表現に向いている印象があります。
最近のソリストはやや手首ヴィブラートの使用比率が高い印象がありますね。
良くないヴィブラートの例
ちりめんヴィブラート(痙攣ヴィブラート)
これはちからが入りすぎて痙攣してるだけのヴィブラートとなり、初心者だけでなく意外と結構弾ける方も使っている場合があります。
力が入りすぎて非常に細かく神経質な音に聞こえますし途中で速くなったり遅くなったりが発生しやすいので非常に不安定な印象を受け、美しい太い音のヴィブラートと正反対な印象を受けます。
ヴィブラートはいかに力を抜いて安定させるかが重要なので、手首も腕も力はなるべく抜きましょう。
途中で止まる、音の変わり目で止まる
途中で止まったり音の変わり目でかならず止まってしまうヴィブラートも良くありません。
最初だけかかってても途中で止まるとなんか変な感じがしますし、音の切れ目の前に止まるのが早すぎるとまたこれも不安定な印象を受けます。
なるべく音の最後まで、音の変わり目のギリギリまでかけられるようにしましょう。
初動が遅すぎる(演歌ヴィブラート)
意外と日本の上手な演奏家に多く、あまり違和感も感じにくいのですが良くないと言われることもあるヴィブラートです。
要は音の最初はヴィブラートかけず、途中から激しく掛けると演歌歌手の声のようなヴィブラートに聞こえることがあり、ややくどい感じがします。
前2つと比べると違和感を感じにくく、逆にこれが良いと感じるかたもいらっしゃます。たまに使ったり曲によって使うと効果的なこともありますが、毎回演歌ヴィブラートになるのは辞めておいた方がいいかと思います。
途中で速さが変わってしまう
これも上手な人でもありがちで、途中で速くなったり遅くなったりというヴィブラートです。
何度も言ってるように一定周期でかかるのが一番美しく聴こえるので、なるべく速度は一定にしましょう。
音の途中で変わるのはよくありませんが、フレーズごと、また音の高さで速さを変えるのは良いと言われています。
ハイポジションの高い音は速く、音が低くなるにつれて大きくゆっくりとかけると良いと言われているので、自由自在にコントロールできるようにしましょう。
効果的な練習方法
まず単音のロングトーンでヴィブラートをかけてみて、腕、手首、また指を変えて全部一定にできるようにします。
弓が先の方に行くと速くなったりとか癖がある方はそこも注意して、自分の癖を把握しつつとにかく一定周期で音の最後まで揺れを保てるようにしましょう。
ロングトーンでできるようになったら音階を使います。
音階は基本はノンヴィブラートで練習しますが、ノンヴィブラートで一通りやったあとゆっくりのテンポでヴィブラートをかけ続けて練習してみましょう。
音階で常に集中してヴィブラートをかけれるようになればだいぶ上手なヴィブラートの使い手になってることでしょう。
まとめ
簡単にですがヴィブラートの解説でした。
中々一朝一夕ではうまくならないものですし、相当ヴァイオリンが上手に聴こえるために重要なテクニックの割に相当習得が難しいので、根気よく練習しましょう。
あとは自分が好きなヴィブラートを持ってる方が周りにいれば教えてもらったり真似してみるのも良いですし、有名な方で好きなヴィブラートを持ってる方がいればYoutubeなどで動きをよく見て真似してみるのが良いと思います。
ヴィブラートを制するものがヴァイオリンを制するといっても過言ではないので、頑張って練習していきましょう!
それでは以上、「美しいヴィブラートを習得するための近道【ヴァイオリン奏法解説】」でした。