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Bach Chaconne For Solo Violin(バッハのシャコンヌ)&ジェイムズ・エーネス(James Ehnes)

ヨハン・ゼバスティアン・バッハのシャコンヌは、ヴァイオリンの名曲の中でも最も有名な曲だろう。

この有名なシャコンヌはバッハの無伴奏ヴァイオリンソナタ・パルティータ集の、パルティータ二番の最終楽章にあたる。

パルティータ二番は全5曲で、

  1. Allemande(アルマンド)
  2. Courante(クーラント)
  3. Sarabande(サラバンド)
  4. Gigue(ジーグ)
  5. Chaconne(シャコンヌ)

という構成。シャコンヌが有名かつ名曲過ぎて、他の曲がおまけっぽくなってしまっている。(他の曲も普通に考えれば名曲)

このバッハのシャコンヌだが、15分位無伴奏で弾き続けなければならないし、結構テクニック的にも難しい曲なので、音大生や若いプロが取り組むと結構苦労する。

音大生がこんな名曲をやるのか?と思われがちだが、実は音楽的には分かりやすいので、ある程度上手い学生は結構弾いている。

ベートーヴェンのクロイツェル・ソナタなどは奏者が若いと雰囲気が出ないが、バッハはそうでもない。

聴いてると心が洗われる感じというか、神聖な感じがあるのはバッハが教会音楽のプロフェッショナルだからだろうか。このシャコンヌ自体は特に神聖な曲ではない。

バッハはベートーヴェンやモーツァルトと違い、教会や宮廷の楽師として働いていたため、生涯に渡って安定した収入があった。

モーツァルトは特にひらめきや天啓を得て曲を書いているイメージがあるが、バッハは計算して曲を書いているイメージ。

バッハはどのジャンルでもかなりの数の名曲を生み出しているが、やはり卓越した作曲技法の賜物なのだろう。

このバッハのシャコンヌは、楽譜に書いてある通りにしっかり弾けばちゃんと音楽になる。楽器も鳴りやすく、いかにバッハの作曲技法が卓越しているかと言う事が分かる。

この動画のソリストは、カナダ出身のジェイムズ・エーネス(James Ehnes)

目立ったコンクール入賞歴などがなく、日本ではあまり有名ではないが、世界レベルで超一流のソリストである。

動画を見れば一目瞭然だが、テクニックが安定しすぎていると思う。何を弾いてもこんな感じで上手すぎるのだ。

パガニーニを弾いても全く危なげがない。カプリース24番でこんな簡単そうに見えるのは彼以外あまりいないのではないだろうか?

女性で言うとヒラリー・ハーン、ユリア・フィッシャー辺りがそういう感じだが、彼女らよりエーネスのほうが安定度は高いと思う。

エーネスの無伴奏ヴァイオリンソナタ・パルティータ集はかなりの名盤。

パガニーニのカプリース全集も良い。この難しい曲集で、ここまでハイレベルな録音は珍しい。(五嶋みどりクラス)

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